このスピンオフ、どこか闇を感じる 〜「ぼくたちのリメイク Ver.β」感想〜
タイトル:ぼくたちのリメイク Ver.β
作者:木緒なち
イラスト:えれっと
刊行ペース的には6と7の間に刊行された「ぼくたちのリメイク」のスピンオフ
1巻の感想は後程掲載しますが、このスピンオフ、本編とは正反対の世界です
- ここはタイムリープが起こらなかった世界
このシリーズ、本編では主人公恭也がタイムリープ
プラチナ世代と呼ばれる前の原石と共にもの作りを通して本当にやりたいことを探していくストーリー…なんですが、こちらはスピンオフ
なのでタイムリープは起こりません!!(他の作品で例えるなら魔法少女まどか☆マギカでまどかが死んだ後、ほむらはタイムリープすることなく絶望したままという感じ)
ただ本編にも登場する河瀬川はスピンオフでも登場
プラチナ世代に関する記述もありますし、そのうち彼らも登場するでしょう(本編読んでない人、何言ってるか分からなくてごめんね)
ただ恭也とはどういう関係になるんだろう
- 処刑部屋と称される13課
そんな恭也ですが、タイムリープしなかった世界では職を失い転職先を探している状況
その転職活動中に偶然河瀬川と出会ったことで一流企業であるサクシードソフトに就職!!
したのはいいんですが、そんな上手い話があるわけがない
恭也が配属されたのは13課と呼ばれる部署
いわゆる雑務係を担当する部署です
だからみんなやる気がないんですよ…
そりゃそうだ、やりたくない仕事を押し付けられてやる気になる人間なんていません
そんな雰囲気に恭也も飲まれつつありました
リス子こと桜井理都子のファイルを見るまでは…
そこから恭也は現状を変えようと作業の効率化を計ったり、企画会議を行おうとするのですが恭也とリス子以外はやる気なし…
この13課が存続の危機に立たされても…
でも恭也とリス子以外の人間だって最初からやる気がなかった訳ではないんです
チャラ男と呼ばれている宮本寛司も女王と称されている小島三友も最初は活躍していた人間
しかし、活躍が気にくわない人間によって左遷させられてしまったのです…
彼らの過去を知ったとき、13課を存続させるためにも結束してプレゼンテーションを行うのですが…
- 不気味すぎる常務
このスピンオフで要注意人物だと考えているのが茉平康
河瀬川との会話から不穏な雰囲気を醸し出してましたが、ここまでのクズ人間久々…いや過去最高かも
だってプレゼンテーション中にあからさまな妨害行動に出ますからね
読んでいる最中、「なんなの…こいつ!?」って
おまけにこの巻のラスト、自分が触れてきたアニメや漫画、ライトノベルの中で一番の後味の悪さです
多分この茉平を倒すことがスピンオフでは最終目標になりそう
本編ではそんな明確に敵いないからな…(ライバルはいるにはいるけど、人間らしさもあるし胸糞悪さはない)
今回の感想、本当だったら「ぼくたちのリメイク」シリーズの刊行順通りに掲載するべきでした(前述通り現在1巻の感想が未完成です)
ただ、今のエンタメ業界に対する政府の対応を見て、「この巻の感想を最優先で掲載しないと駄目だ!!」と思い掲載した所存です
このシリーズは「もの作り」がテーマになっていますが、もう1つのテーマは「本気になること」
この巻はその本気になるというテーマが、シリーズ中特に出ています(刊行当時、6巻の次にこの本が出版されました)
エンタメ業界が瀕死寸前になっているなか「しょうがない…」じゃ行けない
「保障しろ!!」と怒りの声を挙げるのは本気になることと同じです
本当だったら1巻から読むことを勧めるべきだけど、シリーズで一番絶望感が強いのはこの巻
自粛ムードが強い今のご時世で最も読んで欲しい作品です
…なおこの巻から、「ぼくたちのリメイク」シリーズを読む方
本編はこんなにドロドロしていないので安心してください