「三角の距離は限りないゼロ」に登場する千代田百瀬の学生時代 〜「失恋探偵ももせ」感想~
タイトル:失恋探偵ももせ
作者:岬 鷺宮
イラスト:Nardack
現在コミカライズが実施され、いつアニメ化が発表されてもおかしくない「三角の距離は限りないゼロ」
読者ならば作中に千代田百瀬が登場するのはご存知だと思われます
作中では教師として登場する百瀬
勿論、そんな彼女にも学生時代はあり…
この作品は百瀬の学生時代のエピソードであり、岬先生のデビュー作でもあります
- 失恋探偵とは?
千代田百瀬が学生時代にやってたこと
それはクライアントの求めに応じて「恋の終わり」、いわば失恋の真相を辿る失恋探偵でした
これに巻き込まれたのが主人公である野村九十九
彼はミステリー研究会、通称ミス研の部長なんですが入部してきた百瀬の失恋探偵業に助手として巻き込まれてしまうわけです
そんなわけでこの作品のベースはオムニバス
様々なクライアントの依頼を受けながら物語が進行していくのです
失恋したと思われた依頼の真相が驚くものだったり、不器用なオタクの相談だったりと様々な失恋相談を見ることができます
ちなみに百瀬、外見こそミステリアスなのですが、実際にはエレファントカシマシの宮本みたく、頭をかきまくる癖があります
そのため、その都度九十九が髪を整える始末
あれ、この関係はどう見ても…?
- 真実は伝えるべきか、否か
着々と依頼を解決していく百瀬と九十九
ですが九十九のクラスメートである矜持ヶ谷摩緒の依頼が2人とってのターニングポイントとなります
彼女には小早川健という秀才でイケメン、並びに父が地主であるがために金持ちで性格も良い彼氏(ただし3年、九十九は2年で百瀬は1年です)がいました
しかしながら親が結婚相手を連れてきたことを理由に失恋を余儀なくされることに
そんな彼女の依頼内容は「『親が決めた結婚相手』がどういう人か」
九十九はクラスメートの依頼ということもあっていつも以上に気合いを入れるのですが、この依頼の真相はとてつもなく悲惨なもので…
矜持ヶ谷に真相を伝えるかどうか、これを巡って百瀬と九十九は口論に
過去の例を踏まえて「伝えるべき」と考える百瀬に対して、彼女のことを考慮し「伝えるべきではない」と考える九十九
最終的に「伝える」ことになりますが、この行動がもたらしてしまったのは…
このエピソードの顛末を避けている理由
それはこれをやられてしまったら10人中9人は立ち直れなくなってしまうほど衝撃の結末だからです
- 2人の関係、それは…
矜持ヶ谷の依頼後、百瀬と九十九は決裂
それは失恋探偵の終わりを意味します
矜持ヶ谷も真相を知ったショックが顕現してしまうことに
ただ、一番大きな影響が出たのは百瀬
学校を欠席し、食事も出来ずに部屋に引きこもる事態までになってしまったのです…
そんな彼女を心配した九十九は以前の依頼で百瀬から借りたDVDを返却するために彼女の自宅を訪問
なんやかんやで彼女と面会するのですがその時、彼女は思いがけない行動に!!
このタイミングで何故あの行動を…?
その翌日、百瀬は友人である四十八願志穂里(これでしおりと読みます。どこからこのネーミングを思い浮かべた…)が失恋したということで依頼を
…ですがこの依頼は偽り
本当の目的は失恋探偵を辞めて欲しくなかったから
同時に百瀬と九十九の関係を自覚させるためにわざとこの行動に出たのです
友人のためとはいえ、「別れたふりをする」って大胆すぎるだろ…
僕の音楽ブログを見ている方なら存じていると思いますが、僕は一度も彼女が出来たことがない
だから恋愛ってゲームや漫画のイメージが強いんですが友人のために「別れる」芝居を打つなんて…
この志穂里という人物は凄いなと思います
友人を助けるためにこんな大胆な行動に出るなんて
現実でこんなアクション起こせるカップルいないと思うぞ…
そんな志穂里の助けもあって、ようやく本当の気持ちに気付いた百瀬と九十九
その後、矜持ヶ谷と話したあとに2人は失恋探偵としてまた歩み始めますが…
次の巻からイチャイチャする未来が見える…
この作品、大学時代にネットで面白いラノベがないか検索したところヒットした作品
なので数年前から所持していたものの、なかなか読む機会が生まれず、自宅に眠っていました
それから数年後、岬先生の最新作「三角の距離は限りないゼロ」がヒット
しかもこれまで電撃文庫から出版された一部作品のキャラクターがその作品にも登場してるんですよね…
なので過去の作品も読み返している次第です
つまり、将来的に「三角の距離は限りないゼロ」もレビューする予定でいます
その前の「読者と主人公と2人のこれからも」ね
「三角の距離は〜」を読むなら過去の作品も読んだ方がより世界観が楽しめるはず
皆さんも千代田百瀬の学生時代を体験してみませんか?