さあ、ここからが再出発だ 〜「ぼくたちのリメイク5」感想~
タイトル:ぼくたちのリメイク5
作者:木緒なち
イラスト:えれっと
再び2007年に舞台が戻る「ぼくたちのリメイク5」
この巻の注目人物は前巻にも登場したあのキャラと強烈なインパクトを放つ新キャラです
- 危険人物、九路田孝義
まずこの巻を象徴する存在が新キャラの九路田孝義
どんな容姿なのかは単行本で確認していただく(とりあえず禁書の一方通行のような見た目からヤバい雰囲気を放っています)として、2巻で恭也達が所属するチームきたやまよりも凄い映像を作ったチームが居ましたよね?
その中心人物が九路田
ただこの人、人間性に難があって良い作品を作るためなら人がどうなっても構わないという人物
実際この人が原因で2名生徒が退学しています(しかもうち1人はこの後紹介する斎川にも関わってくる…)
でも作品作りに駆ける情熱は本物
高いクオリティーを求めてしまうがゆえに人間を追い詰めてしまうのであって、逆に言えば意識が高い人物と組めれば鬼に金棒
3巻のゲーム制作でモチベーションを失っていたシノアキを復活させるには格好の人物というわけです(元々九路田が一緒に組んでみたいと話していたのもありますが)
しかしながら人間がどうなっても構わないという性格には反感を抱く読者も多いでしょう
でも彼にも人間らしさがあって、
「人生なんかあっという間で1つか2つしか成し遂げられねえんだから」
という名言も残しています
読んでいる最中に浮かんだのは冴えカノの紅坂朱音
彼女も人使いが荒い人間でしたが、そうなってしまったのは自身が制作した作品のメディアミックスがボロボロにされたから
もしかしたら彼もこういう人間になってしまったのは訳があるかも…
同時に冴えカノの伊織は良いやつだったなとも思いましたね(彼は恵に嫌われてはいましたが、楽しくゲームを制作することを望み、途中から倫也に加勢)
なんで悪役を好むかは最後まで謎だったけど
- 本格的に交わる斎川美乃梨
もう1人は前巻こと2018年では人気イラストレーターだった斎川美乃梨
この巻から本格的にストーリーに関わってきますが、2018年でも人見知りだったということもあり過去である2007年でも彼女は人見知り
それでも恭也は「シノアキと斎川を関わる」という思惑はなんとか達成させるのですが、もうシノアキに懐きまくっとる(笑)
彼女の憧れがシノアキであるから必然と言えば必然だけど(シノアキも「渡さんよ〜」と話している辺り、相当気に入ったようです(笑))
しかも彼女がストーカー被害に遭っていることもあり、住居は恭也達が住んでいるシェアハウスへ(バイト先も最初はメイド喫茶(?)でしたが、ナナコや恭也も勤務するコンビニへ移動)
ますます接点が深くなりますが、チームきたやまのイラスト担当のシノアキが九路田チームに移動しているため、彼女が協力を求められるのは必然
ただ彼女は何度も断る
その理由は自分の作品を見られるのが恥ずかしいから
でもそんな彼女もあるものを見て参加を決意し…
ここだけは実際に読んで見て欲しい
僕もここを読んで感心させられたので…
- チームきたやま再始動
そして河瀬川に加え火川(5巻にしてようやくイラスト登場!!)も加えた4人でお題である動画制作に挑むのですが、そのお題は実際に動画サイトに投稿するもの(2007くらいからニコニコ動画が本格的に流行りだしたんだっけ?)
しかもチームきたやまはまだ黎明期であったボカロを用いることにしたのでナナコは悪戦苦闘(途中でヤドカリ状態に…)
イラスト担当は斎川が参加してくれるのでなんとかなりそうですが、もがきもがけどなかなか進展できない…
ですが恭也の意思は固い
もうあの「未来」に戻りたくないから
だからこそ次の巻で大きな行動に出るのでしょう
「彼」を取り戻すために
これ執筆しているのは3月中旬なんでまだアニメに関する情報は微塵も出てません
ただアニメは4巻で終わりそうな予感するので、アニメの続きはここからでしょう
ライトノベルとはいえコミカル要素は少なくってきました
そのため、もの作りとはどれだけ難しいのかがよく伝わってきます
次の6巻では間違いなく彼が再登場するでしょう
戦線復帰するのは既定路線としてどのようにして復帰するのか注目です