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もしも自分の愛読書と同じ名前の人物が現実に現れたら… 〜「読者と主人公と二人のこれから」〜

タイトル:読者と主人公と二人のこれから

作者:岬 鷺宮

イラスト:Hiten

読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

  • 作者:岬 鷺宮
  • 発売日: 2017/04/08
  • メディア: 文庫
 
読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

 

「三角の距離は限りないゼロ」に繋がる作品巡りは恐らくこれがラスト

この作品は2017年に出版された作品で僕も当時購入を検討していた書籍です

この1年後に「三角の距離は〜」が出版されるのですが、その「最初の距離は〜」に登場する広尾修司と須藤伊津佳はこの作品が初登場となります

 

  • 目の前に現れたのは好きな作品の主人公!?

主人公の細野晃(以下晃)は読書が好きな高校生ですが、読書以外は興味なし

特に「十四歳」という本を好み、その作品に登場するトキコに魅せられ、「十四歳」とトキコさえいればいい

 

…そんな男子高校生だったんですが、その状況が一変するのは新学期恒例の自己紹介でトキコと同じ名前の柊時子(以下時子)が現れたから

おまけに趣味や性格まで似ているという…

 

それもそのはず

時子こそ、トキコの元になった人物

「十四歳」の作者である柊ところは時子の姉だからです

 

しかし、これ裏を返せば晃には時子の個人情報はある意味筒抜けということ

例えるなら美少女ゲームのキャラが現実に現れているような状態

冷静に考えてみればこんなに恐ろしいことはないですよ

 

人と人というのは交流を重ねてお互いを知っていくもの

それなのにまだ数日しか会ってない同級生にほぼ全てを知られているのは恐怖そのものじゃないですか(汗)

実際時子は「十四歳」の内容を晃に熱く語られるとき赤面しています

幸い、「十四歳」を知っているのは晃だけ

他の方には教えないでと頼むのは当然です

スマホを落とすようなもんだからな…

 

その上で時子は「手助けして欲しい」とも頼む

勿論これを晃は拒みません

自分の好きなキャラのモデルに会えた上に、時子を助けるということは自分も物語の登場人物になっているようなもの

こんな機会を手放す方はいないでしょう

こうして晃は時子の手助けをするようになります

 

ちなみに僕が好きな作品のキャラに会えるなら真っ先にガルパンのドゥーチェに会いたい

毎日楽しくなりそうだから※無視してください

 

ということで時子を手助けすることになった晃ですがお互い物静かということもあって、クラスに少しずつ馴染んでいくことは至難の技

ただ、その2人を手助けする存在となるのが広尾修司(以下修司)と須藤伊津佳(以下伊津佳)

「三角の距離は〜」読者からすればお馴染みの2人です(ただし、この2人は晃の幼馴染みであってクラスは一緒ではありません)

その2人が晃や時子をカラオケに連れていったり、ラインのIDを交換したり時子の家で勉強会をしていくことによって少しずつ時子は変化していきます

 

その勉強会で時子は修司や伊津佳と自身が抱えてるコンプレックス(修司の父はIT会社の社長で伊津佳の姉はモデル)を共有する一方、晃には姉である柊ところと晃を対面させたりとそれぞれ交流を深めていくのです

なおこの時、ところは晃を次回作に登場させたいとオファーしてたりもする

自分の憧れの作家と対面できて、次回作に登場させたいなんて言われたら幸せ以外何者でない!!

 

更に晃と時子は2人で喫茶店に行くなど関係も良好になり晃は時子を好きになっていくのですが、ただ晃の中にも妙な違和感が

その原因は時子とトキコが徐々に乖離していること

普通に考えれば登場人物が変化していくことは嬉しいこと

しかしながらこの作品の場合、それは晃がトキコに置いていかれること、並びに自分のイメージするトキコが変化してしまうことを意味します

故にあるとき、晃は時子と別れてしまうのです…

 

  • 人と付き合うとは?

その別れをきっかけに時子どころか修司や伊津佳ととも距離を取ってしまう晃

その状況を変えたのがところ

ところと会食した後、メールで送られてきた時子をモデルにした新作小説の下書きを読むことで晃は時子の気持ちを知ったからです

 

ただ、晃には悩みがありました

というのは晃はなかなか空気を読むことができず小学校時代、芦屋という女子だけど見た目も性格も男っぽい、いわばボーイッシュな同級生がいたのですがその娘を「お前もう男子だよなー」と言って傷つけてしまった過去があったのです(作中では晃が時子の自宅を訪れた際の帰り道に時子だけに明かしています)

 

そのため、修司や伊津佳に相談しに行くのですが、その時に「人と付き合うこと」に教えられるのです

 

そもそも人と付き合うこと事態、難しいこと

僕だってとっさの言動で相手を傷付けたりしてしまうこともある

お互いの感情が分からないゆえにすれ違いやすい生き物なんですよ

そのうえ、傷つけてしまったと思っていた芦屋も数ヶ月後には笑うようになっていたようで…

傷付けたり傷つけ合わなかったりするのが人間です

 

修司や伊津佳の助言で立ち直った晃はその後、時子を呼び出します

勿論晃が時子に告げたのは…!!

 

あとがきによるとこの作品はあの「失恋探偵ももせ」の前に作られたものとのこと

ただ、制作当時のものから少しアレンジしたものがこの作品ということです

ちなみに九十九はちょろっと出てきてたりする(笑)

 

実は晃と時子も「三角の距離は〜」に出てくる上である巻で重要な役割を果たすとのこと

「三角の距離は〜」といえば本日最新5巻が刊行されましたがそろそろ、アニメ企画動いてもおかしくないような…

アニメになったら百瀬や九十九、晃や時子も動くんですよね?

見たいな〜