タイトル:ぼくたちのリメイク7
作者:木緒なち
イラスト:えれっと
ぼくたちのリメイク7巻、3巻同様ここで一区切りといったところでしょうか
※この巻も視点移動が多いです
- それぞれのバックグラウンド〜九路田編〜
この巻はチームきたやまとチーム九路田の動画対決の行方が中心
ですがその顛末に向かうにまで2人の人物のバックグラウンドが
まずは九路田
5巻の感想で「こういう性格になってしまった背景があるのではないか?」と僕は記していたと思いますが、メディアミックスに失望してあの性格になった冴えカノの紅坂朱音とは180度違ったようで…
というのは九路田の父、九路田祥一は有名なプロデューサー
「手堅く話題を作れるプロデューサー」と九路田は称してますが、やり方が映画ファンからするとひんしゅくを買うもの
吹き替えに芸能人や芸人、プロモーションに映画と関係ない有名人を使うって今の映画産業そのものじゃないですか…(ああ、テラフォーマーズ…)
でも彼は決して父を嫌っているわけではない
彼は中学時代から「本当にいい物は、ちょっと目立つ、目を引く程度のくだらないものを一蹴できる」という信念で行動してきたのです
だから本気で取り組むことが出来る人間ともの作りしたかっただけなんです
最初は要注意人物だと思っていましたが、根本は凄い情熱的な人間だったのです
誤解してすいませんでした
だから彼からすると恭也みたいな人間を待ち望んでいたのでしょう
本気でぶつかり合えるライバルを
- それぞれのバックグラウンド〜シノアキ編〜
もう1人はシノアキ
あの九路田ですら彼女を恐れているようなのですが、シノアキが絵を描き始めたバックボーンが遂に明かされます
シノアキが絵を描く理由、それは母と会話したかったから
シノアキの4人家族だったようで既に母親は他界
母親から強く影響を受けているとのことですが、その母親が絵を描くのが上手だったとのこと
他界したあとに母親と繋がり続けたくて絵を描いていたのです
となると3巻の恭也の選択は無意識にシノアキにダメージを与えていたことになります
アイデアを否定される=母親との会話を否定されるということ
4巻でシノアキが描くことを辞めた理由はそれもあったのかもしれない…
もちろん目標にするものがなくなっていたというのもありますが…
その上でシノアキにとっても恭也との出会いは大きかった
恭也を始め、チームきたやまや九路田組へ参加できたというのはシノアキが求められていたという証拠
シノアキにとって絵を描くのは大切なものになっていたのです
ただただ絵を描くことが好きな純粋無垢な少女
この大切なものが奪われる展開が来なければ良いんだけど…
- 大衆vs非大衆
そしてこの巻の目玉と言えるのは賑やかな文化祭のなかで行われるチームきたやまと九路組の動画対決
正直、口頭で説明するのがあまりに難しすぎるので皆さんの目で読んでいただきたい(というかアニメはここまでやってくれ、コミカライズもそこまで到達できるか分からない)のですが、一言で言うなら大衆VS非大衆
「共感」を味方に付けるか、「圧倒」するか
ニコニコ動画を舞台に繰り広げられる対決は手に汗握るものがあります…!!
そして戦いが終わると、それぞれ次なる道へ
- シノアキ→プロデビュー
- ナナコ→コラボの声が届くように
- 貫之→新人賞受賞
九路田や斎川、河瀬川も次なるステージへ向かおうとするなか、恭也は…
という訳で次の巻からはいよいよ3回生編に突入するわけですが、個人的に気になったのは2つ
①サクシードソフトの登場
そのうち本編に絡むと思ってましたが、やっぱり絡んできた!!
しかも例の危険人物の名前まで…
恭也達、いろんな意味で注目されています
次の巻から本格的に絡んできそうだけど一番危ないのはシノアキかな…
九路田もシノアキの今後を心配してたし…
恭也、絶対にシノアキを守れ!!
②恭也の今後
そしてもう1つは恭也が今後どうするのか
シノアキやナナコ、貫之が次のステップへ進むなかで恭也はまだやりたいことを見つけられていません
次の巻がここに焦点が当たりそうだけど、僕の予想ではプロデューサーになるんじゃないかな
これまでの作品も思えば恭也が立案してきた だったらその発案力を活かせば良いんですよ
アイデアを提案する才能が恭也にはあるんだから…
次巻、第3部突入
今度は何が待ち受けるのか…!?
…しかし次の巻はまさかのスピンオフです…
またあの重苦しい世界を味わうのか※6月刊行予定