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恋と本心 〜「三角の距離は限りないゼロ 2」感想〜

タイトル:三角の距離は限りないゼロ 2

作者:岬 鷺宮

イラスト:Hiten

三角の距離は限りないゼロ2 (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ2 (電撃文庫)

 
三角の距離は限りないゼロ2 (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ2 (電撃文庫)

  • 作者:岬 鷺宮
  • 発売日: 2018/11/10
  • メディア: 文庫
 

「三角の距離は限りないゼロ」の2巻

「失恋探偵ももせ」や「読者と主人公のこれから」と世界観を共有しているのであの2人もこの巻から本格的に登場しますが、あの2作とはテイストが大きく異なるようで…

 

  • いきなりの爆弾発言

前巻で秋玻に告白した四季ですが、前巻終了時点ではまだ返事をもらってなかったのでその返答から始まるのがこの巻

結論からいうとこの2人は付き合うことになります

 

並びに四季はキャラを作るのをやめ、秋玻も二重人格であることを修司伊津佳の前で告白したこともあって彼らを取り巻く環境も少し変わった様子です

 

ただこの巻は序盤からぶっ飛ぶような展開になります

伊津佳に誘われて、四季や秋玻はラーメンをご馳走になるのですがそこでいきなり伊津佳は修司にコクられたことを告げるのです(笑)

 

「読者と主人公のこれから」を読まれた方ならご存知でしょうがこの2人は10年近くの付き合い

普通に考えればどっちかが意識するようになってもおかしくないはずです(恋愛ゲームでは定番の設定ですね)

 

でもいきなり告白されたら誰だって困惑するのは当たり前

幼馴染みから関係が変わるかもしれない

そう意識すると戸惑うのは無理もありません

だから伊津佳は四季や秋玻に相談を持ちかけたのでしょう

 

この時点で伊津佳は告白の返事を保留中

四季や秋玻は2人がベストな解答を出すことを望んでいるという状態です

それは後悔する選択をしてほしくないという2人の配慮だと思われます

なお修司は自信なさげです

 

ただ、この頃から春珂は少し悩むようになっていて…

  • 恋をするのは本当に素敵なのか?

それから数日後、四季はある行動に出ます

その目的とは、

        1.春珂の友達を作る

        2.伊津佳と修司が普通に話せる関係に戻す

この2つを実行するために「伊津佳や修司以外の人物と遊ぶこと」を秋玻や春珂に提案していたのです

 

で、ここで満を持して細野晃と柊時子が登場

お察しの通り「読者と主人公のこれから」の主要人物2人です(忘れているかたもいらっしゃるでしょうが、晃は伊津佳と修司の幼馴染み。時子は晃の恋人です)

ただ、晃は元々読書以外はあまり興味ない性格なのでやっぱり人付き合いは苦手な様子

四季も「苦手」と称してます

秋玻と時子は相性は悪くない感じですが

なお、四季と秋玻は「十四歳」を読んでいるので2人の事情は把握済みでしょう(笑)

 

一応、細野の自宅でレースゲームをした際に春珂と時子は親密になり、伊津佳と修司の関係も元に戻りかけるのですが、結論はやはりそう簡単に出せない

付き合いが長ければ長いほど結論を出すのが難しくなってしまうんでしょうね…※僕にはそんな経験一切ない

 

ただ、そんな状況を他人が待ってくれる訳もない

伊津佳が回答に悩んでいるなかで同じクラスの古暮千景が修司に告白したのです

 

この時、修司は「告白した相手(それが志津佳であることは伏せてます)がいる」ことを理由に断るのですが、古暮は諦めない様子

その日の放課後にもう一度告白をするのですが、その時伊津佳の悪口を言ってしまったことが修司の静かな怒りに触れてしまうことに…

ちなみにこの時、四季と春珂はその様子を近くで盗み聞きしているんですが、しれっと春珂は録音してます(笑)

春珂なりの伊津佳への思いやりだと思いますが、皆さんは絶対やらないように

人間関係崩れる可能性ありますよ…

 

そんななか、伊津佳の返答期限である日曜日に四季は秋玻とデート中

もともとこのデートは秋玻が見たい映画があると誘ったものなんですが、映画の上映時間が2時間という事で秋玻は全てを見れるわけではない

しかも上映開始時間も22時とかなり遅いんですが…(高校生ってレイトショー見れましたっけ?)

ただこのデートにはもう1つの目的もあって…

ここでの秋玻の行動には誰もがビビると思います

でもそうなっちゃうのも理由があるんです

春珂の悩みが徐々に顕現しているから…

「恋したい」という悩みが…

だから秋玻は怖いんですよ

春珂に四季が取られないか…

秋玻はクールに見えて弱いですからね…

 

その上でとてつもない行動にも

 

「恋はー無条件にいいものなんかじゃ、ない」

 

この台詞は非常に重くのしかかってるくるでしょう

 

そして修司はというと…振られてしまいます…

 

  • 本心

修司が伊津佳に振られてしまったことで修司と伊津佳の関係はぎくしゃく

4人で過ごしていた昼休みの風景も変わってしまう…

 

勿論昔みたいに4人で仲良くしたい四季ですがそう簡単に解決策は浮かぶわけありません

まあ、告白って大勝負みたいなものであって失敗したら関係悪化しちゃうもんな…

 

そんな四季に助言をしたのはまたも百瀬

たまたま休日に書店で出会い、そのまま食事をすることになりますが百瀬のあの髪の毛をもさもさと掻き回す癖は健在です(笑)

確かこれ、九十九に髪を治して欲しいことから生まれた癖ですよね?

まだ治ってなかったのか(笑)

なお百瀬は九十九と遂に結婚しました(笑)

 

その百瀬が四季に差し出したのは「十五歳ーSide A」

「読書と主人公のこれから」の終盤に出版された「十五歳」のスピンオフもとい、晃の物語です(笑)

故にここからの展開はある意味「読書と主人公のこれから」へのアンサーに近いです 

晃が終盤にとった行動は以前にも書いたので省きましたが、その時の行動って「柊に会いたい」という晃の本心で動いたもの

つまり「本心を隠しては駄目」と百瀬は伝えたかったのでしょう

なお、これをきっかけに四季と晃は若干関係が良好になりますが、この寸前に時子は大笑いします(笑)

ここまで早くコミカライズ追い付いて!!※残念ながら晃と時子の挿し絵はありません…

 

その上で後日、伊津佳からようやく本心を引き出しますがその本心が切ない…

どうやったって修司を好きになることができないというのもありますが、

 

「みんなが見るわたしも、本当の私だもん」

 

伊津佳は本来の自分も周囲から見られる自分も大切にしたかった 

四季とは逆なんですね

幾つものキャラを作っていたことに罪悪感を覚えていた四季に対し、伊津佳は両方の自分を守りたかった…

そりゃ苦悩するよ…

2つを同時に守ろうとするなんて簡単なことじゃないから…

伊津佳の苦しみは同情してしまうし、早くここを動く媒体で見たいと思ってしまう

多分次の巻からはまた一回り成長した伊津佳が見れると思いますが、伊津佳をみんな慰めてあげてください…

 

ただこの伊津佳の行動は春珂にも影響をもたらし!?

 

 

正直、この巻読んで僕は驚きました

ライトノベルらしからぬギリギリの描写が出てきたので…

二重人格の設定があるのでファンタジーではあるんですが、かなり現実に近い描写を入れてくるとは思いもしませんでした

「日常+ファンタジー」の代表格である「ココロコネクト」や「青春ブタ野郎」シリーズはシリアステイストは強いですが、この作品もどんどんシリアスな方向へ突き進みそうです

 

そういえば「ぼくたちのリメイク」も3巻が分岐点になって4巻がご存知の通り「本当にライトノベルか…?」と思うほどどシリアスになりましたが、まさかこのシリーズも…!?