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岬先生が描くもう1つの恋物語 〜「日和ちゃんのお願いは絶対」感想〜

タイトル:日和ちゃんのお願いは絶対

作者:岬 鷺宮

イラスト:堀泉インコ

日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

  • 作者:岬 鷺宮
  • 発売日: 2020/05/09
  • メディア: 文庫
 
日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)

 

 

 

先日の「三角の距離は限りないゼロ 5」に続いて、新たに始動した「日和ちゃんのお願いは絶対」の感想

試し読みせずに購入すると序盤からビビると思われます

 

  • 告白してきた少女の正体は?

物語の発端は主人公である頃橋深春葉群日和にコクられたところから

新学期に2人は席が隣同士になり、少しずつ接するようになっていったところから交流していくようになり、「自分にないものを持っているから」という理由で日和は好きになったとのことです

開始早々告白されるラノベ読むのいつ以来だ?

 

告白された深春は日和の好意に気づいていたのですが、1日考えたところ付き合う気にはならず断る予定だったのですが日和のメモ帳を拾ったことをきっかけに日和の秘密をしってしまい…

 

その秘密とは「彼女の『お願い』は絶対叶う」ということ

岬先生のTwitterに簡単なあらすじ漫画が掲載されているので拝見した方も多いと思われますが、その『お願い』によって深春は遊ばれてしまう(笑)

でもそれをきっかけに彼女のことを知りたいと思い、2人は付き合うことに…

 

ただ、彼女にはもう1つの秘密があってそれはこの作品には『天命評議会』という世界を平和に導こうとする組織があったのですが、そのリーダーが彼女

要は彼女を世界を変えようとする組織の中心人物というわけです

 

開始早々、度肝を抜かれましたよ…

あらすじから「世界が破滅する物語なのかな?」と思ってましたが、全くの的はずれ

日和が世界変革組織の中心だなんて思いもしなかったから※試し読みは一切してません

 

とまあ、いきなりぶっ飛んだ設定が出てきたわけですが、天命評議会のリーダーで護衛が付いていることを除けば彼女は普通の女の子

なので学校生活を楽しんだり、深春とデートもしたりします

世界平和以外の活動を除けば彼女はれっきとした女子高生なんです

 

また天命評議会も日和と深春が付き合うことは問題ない認識で、しばらく不登校になった日和の情報を知るべくであった牧尾(仮名)が日和のお陰で妹が無事に大学へ進学できたエピソードを話す辺り、日和は頼れるリーダーのよう(同時に牧尾は妹を大切にしている様子)

学生生活を送りつつ、世界を救おうとするなんて凄い日々送ってるよな…

 

ただそんな日々もそう長くは続かない…

  • 学校襲撃

というのは、天命評議会を良く思わない輩も当然存在するわけで、そのリーダーである日和は狙われる身

ある日彼女の身柄がバレたのか、学校が襲撃されてしまったのです

 

日和の行動に加え深春の助言もあってなんとか大惨事には至らずに済みましたが、ただ深春を庇って牧尾が亡くなってしまい…

 

この時、日和は「生涯最高の幸福を感じてください」と『お願い』をするのですが、これによって「妹第一」だったはずの牧尾の思考が変化してしまっていることに気づき、更に今回の出来事のような『辛さ』を忘れさせようとしたため、深春は日和に反発

深春は日和によってこれまでの日々をなかったことにしてしまうのです…

 

これって深春を「巻き込みたくない」日和なりの優しさなんだけど、これまでの日々が全て無になるってことは関わりそのものもリセットされる

タイムリープなら分かるとして、現代社会でそれやられたら苦しいですよ…

しかも告白にも『お願い』を使ってたなんて言われたらな…

 

こうして日和と深春の関係はゼロに戻ったはずだった

ただ、ここに誤算があり…

  • キエナイオモイ

その誤算とは深春の幼馴染みである卜部のこと

この卜部、放課後にしょっちゅう深春の家に来ては一緒にゲームする仲

なので深春と日和が交際しているのも当然知ってる

 

それゆえ、深春と日和が接する回数が減ったことに違和感を持ったのです

卜部の記憶操作を忘れていたのも原因ですが(汗)

更に記憶は消されたとしても、想いまで消すことは出来ない

それがトリガーとなって、卜部によって日和に会いに行くよう促された深春は日和に会いに行くんですよ

当然、あの気持ちを伝えるために…!!

やっぱり愛の力って凄いわ…

 

発売直前、オンラインショップではこの作品が軒並み入荷待ちとなっていました

近所の書店でもこの本は見かけなかったですし、それだけ岬先生が注目されるようになったという証拠でもあります

 

この作品について岬先生はあとがきで「セカイ系」の物語が作りたかったと話しています

この「セカイ系」、僕は最初ピンと来なかったんですが僕なりの解釈で言えば世界をテーマにした物語

「天気の子」もその1つですし、「灼眼のシャナ」もそうみたい

なので「三角の距離は限りないゼロ」とは大きくベクトルが異なりますし、こちらの方が描写はハードになると思います

まさか岬先生がこういった話を描くとは…

 

次の巻から本格的に卜部も絡んでくると思いますが、この物語はどういう方向に進んでいくのだろう

コミカライズも既にスタンバイ中

まだほんの片鱗も見せてない始まったばかりの物語をじっくり見届けたいと思います