覚えている方も多いのでは…? 〜「まよチキ!」感想〜
タイトル:まよチキ!
作者:あさのハジメ
イラスト:菊地政治
タイトルで「お?」と思った方も多いと思われます
そうです、かつてアニメ化もされヒットした「まよチキ!」です
以前から興味があって読んでみたかったので遂に手を取ることにしました
- 執事の秘密を知ってしまうと…?
主人公の坂町近次郎(以降ジロー)は色々可愛そうな少年です
何故なら毎朝のように妹の紅羽にプロレス技を掛けられることを筆頭にプロレスラーの母や妹に技の実験台や練習台にされてしまっているのですから…
お陰で彼は女性恐怖症に…
女性に触れただけで鼻血が出てしまうほどトラウマになっています
「WORKING!!」で小鳥遊くんがミニコンになっていたように、周囲の環境って大事なんだな…(WORKING!!を見れば分かります、特にテレビシリーズおすすめ!!)
でそんな彼の日常が一変してしまうのは学園一の美少女涼月奏の執事である近衛スバルの秘密を知ってしまったから
一見男子に見えるスバルの正体は女子(普段は男装して隠している)
それをトイレで知ってしまった
↓
粛清されかける
理不尽ではありますが女子だってバレてはない事情がスバルにはあります(バレたら首だっけ?)
だから秘密を知ったものは粛清するのは至極全うなことでしょう
でも問題はそれだけでなく、スバルの秘密を守るために奏と協力関係を結ばされてしまったこと
奏の正体はドSのお嬢様
ジローの女性恐怖症を治す手伝いをするとはいえ、弱味を握られている以上この協定は悪夢でしょう
一歩間違えたらスバルに粛清されますから(笑)
でもスバルだって女子
正装した時の可愛さは半端ではないです
普段が普段だけにギャップ萌えがあるというか…
ただそんなスバルには弱点が
- 孤独な執事
その弱点とはスバルには友人がいないということ
スバルと奏は小中学校と籍は置いていたものの学校には通っていない
故に人との接し方が分からず孤立していたのです
奏がジローに協定を結び付けたのは「彼女からみて面白そうだから」という名目が大半でしょうが、スバルに友人を作らせてあげたかったというのもある
奏とスバルはご主人と執事の関係ですが同時に幼馴染みで昔は「カナちゃん」と呼ばれていた
本性こそドSでありますが、スバルのことを気にかけている存在でもある
そう考えると姉妹みたいだなとも思います
…ジローはいろんな意味で苦労が絶えないけど!!(スバルはファンクラブが作られるほど女子からは人気があるから狙われるし、スバルの秘密を知らない紅羽にはあらぬ疑いをかけられる…)
そしてスバルには更に致命的な弱点があり、それが終盤大きく絡んでくることに…
- 過去を乗り越えろ!!
その致命的な弱点とは刃物恐怖症
簡単に言えば包丁やナイフが苦手といった性質
執事はご主人に仕えると同時にご主人を守るのが役目である
故にナイフが苦手というのは執事にはあまりに致命的です…
その発端は昔、訪れたレジャー施設でスバルが奏と共に誘拐されてしまったから
それをきっかけに刃物が苦手になり、学校以外も危険と感じるようになってしまったのですがなぜこれが終盤大きく関わるか
それはある日スバルがジローや奏、紅羽と共に訪れたレジャー施設が過去に誘拐された施設
しかもここでふたたび奏、ましてや紅羽も誘拐されてしまうからなんですね…
事件が起こる前、スバルはレジャー施設に来るとは思えないほど警戒をしてくるのですがそれは事件に巻き込まれた施設だから
人間、ショッキングな出来事に遭遇するとその出来事に遭遇した施設や周辺地域が苦手になる方もいます
僕もその1人で過去に退職を共用された会社の付近を訪れるのは今でも苦手です
「考えすぎだろ…」と思われる方もいるかもしれませんが、1度トラウマを抱えたらそう簡単に克服できない
だからスバルの行動も納得できます
そんなスバルを心配してか、最初はジローがスバルを気絶させた上で誘拐犯に立ち向かうのですが、いくら練習台や実験台にされていたジローとはいえ、誘拐犯に勝てるわけがありません…
ジローが絶体絶命に追い込まれたとき、スバルが駆けつけますが本当は怖いはず
それでも必死に立ち向かうスバルはカッコいい!!
まあ茶番なんだけどね(笑)
それもスバルの父親近衛流と奏が仕組んだ
その上事件後、スバルは流に思い切りキレるのですがジローの前では本音を…
さあこれからどんな物語になっていくのか
なんでこのタイミングで「まよチキ!」を持ってきたか
自宅療養中、自分はBookLiveという電子書籍サイトに入会したのですがタイミング良くKADOKAWAから出版された作品のセールをやってまして、その時に「まよチキ!」も対象だったのです
購入前に試し読みしたところ、「ああ、面白そうだな」と思い購入して結果正解でした
テレビシリーズは結構削られていると聞いたので今のところ見る予定はないかな…
ちょうど執筆時、まだセール真っ最中でまとめ買いしたい作品があったので今後も懐かしい作品の感想が増えるかもしれません
ただ、ラノベはやっぱり手にとって読むのが落ち着くなあ
次の新刊の感想はGA文庫から出版されたある作品についての感想が濃厚です