2人の関係はようやく変わり出す… 〜「彼女、お借りします(7)」〜
タイトル:「彼女、お借りします(7)」
作者:宮島礼吏
前巻こと6巻では「これでもか」というほど麻美が荒らしていった「彼女、お借りします」の7巻
和也と千鶴の関係が少し変わる巻になっています
- 女優としての千鶴
前述通り、6巻の後半は麻美が荒らしまくる展開となり、千鶴が和也に謝る誰もが「いやあなたは悪くないでしょ!!」と思ったはず
そこに和也が遂に想いを打ち明けてしまう展開になったのですが、付き合うことには流石になってません
ただ、和也はやっぱり千鶴への想いを封印しようとすることは出来ないと気付いてします(前にも書いたけど想いを封印するなんて簡単にできない)
一方、千鶴も千鶴で思うことがあるようで…
そんなこの巻の序盤は女優としての千鶴が中心
千鶴が女優であることを知っているので和也も見に行くのですが、千鶴が出演する舞台は時代劇みたいな感じ
彼女は主役というわけではないですが、忍者として出演してコミカルな演技で観客の視点を奪うほど確かな演技を魅せるのです
これはアニメになったらより分かりやすいと思うけど、この舞台はホールで行われているので、何百人も見ている中で演技をするのはプレッシャーがかかる
でもしっかりした演技が出来るのはそれだけ彼女が努力してきた証拠というわけです
ただ、現実はそう甘くはない
どんなに彼女が努力したって夢は必ず叶うわけではないのです(何があったかは単行本読んでね、これは現実でも多いと思うから)
でも夢を諦めようとした千鶴に和也が熱いんですよ〜
和也は良くも悪くも「諦めが悪い人間」ですから
千鶴の夢は今後どうなっていくのか?
なお和也は和也で千鶴を応援するために毎週彼女をレンタルしようとしてます
…お金持つのか?
ちなみに、るかはるかで思い切り嫉妬している様子ですw
かのかりのゲーム出たら間違いなくるかちゃん選ぶんだけどね…
- また変わる2人の関係
そのうえでこの巻は2人の関係がまた変化します
というのは千鶴と定期的に行っていたデートで和也はレンカノとしての千鶴ではなく普段の千鶴を希望するようになったのです
千鶴がレンカノをやっている理由は女優の練習としてですが、千鶴と知り合って1年
和也としては自分の前では偽りのない本当の姿を見せてほしいと思うようになったのではないでしょうか?
そんな和也からのお願いを受けて千鶴は仕事でも素の彼女を見せるように
更に言えば千鶴のプライベートでもこの巻で初めて明かされるのですが、仕事後に訪れたのはまさかのバッティングセンター
しかも普通にバットに当てられるし、ホームランを打てるほど実力もある
バッティングセンター経験者なら分かるでしょうが、初心者はバットに当てることすら困難
にも関わらず、千鶴は当ててしまう…
千鶴さん、昔何か運動やってました?
そして大きな変化は「対等」かつ「フェアなお隣さん」になったということ
昔はオンとオフで対応が天と地の差だっただけに大きな変化ではないでしょうか
やっぱり見えるくらい明確に変化が分かることは良いことですね
- 千鶴の祖母の言葉の意味は?
ただ、少し気になったのは千鶴の祖母こと小百合が終盤、和也にかけた言葉
千鶴はここまで姉御肌ある印象を持っていたのですが、小百合によれば昔の千鶴は甘えん坊だったのです
全然そんな印象受けませんが…
ただこの7巻、千鶴の本当の姿が出始めている気がします
千鶴は実は強がっているのではないか?
そう思わせる描写が目立ちました
とどめに、
「どうかちづるを…よろしくお願いします」
嫌な予感しねえ…
さらにこの巻のラストは…?
この巻は麻美を始め、るかもほとんど出てきません
墨はちょこちょこ出てきますが、メインというレベルではない
要はこの巻はほぼ和也と千鶴にフォーカスを置いた巻ということです
事件らしい事件も起こってないある意味平和なエピソード
その一方で千鶴の弱いところが6巻辺りから出始めている…
人の弱いところって心を許した人間にしか出さない
それだけ千鶴と和也の関係は変わったということでしょう
この巻はそこまで大きな動きはありませんでしたが、この反動が次の巻に来る可能性も否定できないのが「かのかり」の怖さ
次の巻で大きな事件が起きなければ良いけど
ちなみにここのところ、「ラノベの感想は?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ぶっちゃけ大幅に遅れてます
次に掲載予定だった作品を読むのにかなり時間を要していて、なかなか感想を書けないのです
そのためまだ時間がかかりそう…
すいません…