プラチナ世代が活躍し出す中で恭也は・・・~「ぼくたちのリメイク8 橋場恭也」~
タイトル:「ぼくたちのリメイク8 橋場恭也」
作者:木緒なち
イラスト:えれっと
刊行は去年の11月ではありますが、その時期が非常に多忙だったこともありようやく掲載となる「ぼくたちのリメイク8」の感想
物語は第3部に突入していきますが、まさかあのキャラが登場するとは・・・
- 恭也、サクシードソフトへ
シノアキ、貫之、ナナコといったプラチナ世代の3人が本格的に動き出し、斎川はシェアハウスきたやまを出て行くなど周囲は大きく動き出しますが、恭也はというと周囲がいよいよ才能の片鱗を覚醒しつつあるなかで置いて行かれつつある少し複雑な状況
なので次の巻で恭也がなんらかのアクションを起こすと思われましたが、恭也が起こしたのはなんとサクシードソフトでのバイト
サクシードソフトといえばVer.βの舞台でもあり、7巻でもうっすら名前が出てきていましたが本編にも絡んでくるとは・・・
タイムリープが起きようが起きまいがどうやら恭也はサクシードソフトに関わる運命だったようです
しかし驚くべきは本編にもタコ部長堀井とクソ上司茉平が登場してきたこと
前巻でサクシードソフトが出てきたのはこの2人も本編に絡み出すという伏線だったのでしょう
で、茉平というとスピンオフではラノベ史に残るとんでもない暗躍をしているわけですが、この時点ではスピンオフのような人間性は全く出ておりません
それどころか上位の大学に在籍しスペックも高く、バイトのリーダーをしている人物であります(綺麗なジャイアンだな)
ただ、恭也のよき理解者でもある加納は茉平のことを心配している様子で実際この巻の終盤で不穏の気配も見せます
もしかしたら恭也が茉平が闇落ちする運命を変えてくれるのかも・・・
なおプラチナ世代の3人はそれぞれの活動を行っていくようになっていきますが、恭也との接点はなくなったわけではなくむしろ3人のアシストをしていきます
そこから恭也は自身はプロデューサーになることを決意
まあ、これは「冴えカノ」の倫也と同じかな
ただ、この世界では冴えカノみたく上手く物事は進みません
なぜならプロデューサーは一歩間違えればクリエイターの才能を潰しかねないのだから
音楽シーンをよく知る方ほどこの意味を深く理解できるのではないでしょうか
またこの巻では恭也のサークルの先輩であった桐生や樋山は卒業し就職しましたが、2人は学生と社会人のギャップに苦しみ、シノアキ達や英子も巻き込んで旅行することに
この旅行、ほとんど桐生は役に立ってませんが、3年になりそれぞれがクリエイターとして活動するようになったため彼らが一堂に会する貴重な機会に
英子は恭也やシノアキ達と上手くなじめず2巻冒頭ではナナコに言い過ぎる場面もありましたが、今ではシノアキ達と交流するようになったことを後悔してない様子
英子はスピンオフの世界線でもシノアキ達と交流を持ってましたが、シノアキ達と出会うことで英子も変わったのかもしれない
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注目すべき新キャラ竹那珂里桜
その上でこの巻には今後重要人物になりそうな新キャラ竹那珂里桜が登場
恭也と共にサクシードソフトでアルバイトする大学1年生ですが、彼女は恭也を追いかけてきた人物
恭也に接触するために加納教授の前で30分間プレゼンを行ったほどです
こんなアクティブな行動を起こす大学生なかなか居ないぞ・・・(分かりやすく言えばアマチュア選手がプロの選手と一緒のスポーツジムでトレーニングしたいと言い出すようなもの。たとえになっているかな・・・)
でもこうした人物が現れると言うことは恭也は追われる立場になったことを示唆しています
スター選手が凄まじい才能を持つ後輩が現れたときに脅威を感じるように、この里桜はあらゆる分野でチートの人物なのです(この辺りは書籍を読んで欲しい)
そんな里桜と恭也を接触させたのは加納の思惑
要するに起爆剤をぶつけたかったのでしょう
ライバル的存在であった九路田はもう在籍していない(中退しています)
となると新しい競争相手が必要になる
その相手になるのが里桜だったんでしょうね
この段階では恭也をリスペクトする後輩という感じでしょうが
ちなみに8巻の時点ではまだプラチナ世代と接触していませんが、英子とは早くも接触し大はしゃぎしてました
斎川みたく暴走しないよな・・・?※英子は斎川に懐かれてから色んな意味で被害食らっていたな笑
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それぞれが歩き出す中で・・・
さて恭也と里桜はデバッグ作業を中心にバイトを行っていきますが、月日が流れた頃に堀井から新企画の提案を委託されることに
ゲーム会社のバイトに企画の立案を依頼するなんて話はあまり聞きませんが現実ではどうなんでしょう(ゲームのデバッグ修正作業やパチンコの新台試打のバイトはよく聞きます)
ここまで恭也は課題にぶち当たった際、未来の知識を武器に戦っていきましたが今回は封印してサクシードソフトが昔やっていた美少女ゲームを(女性読者のかたは決して検索しないように、あれな画像が次々に出てきますから)
一方の里桜は数年先(スマホを活かした)を見据えたようなノベルゲームを提案するのですが、結局2人とも相手にされませんでした
この企画立案会、結局茉平の案が通ったようなんですが茉平は意外にも2人の案を評価して後々立ち上がった茉平の企画にも取り入れてくれたのですが、それは茉平が今のサクシードソフトに不満を抱いているからなんですよ
分かりやすく言えば今のサクシードソフトは保守的なんでしょうね
チャレンジ精神がなく、原点回帰もしようとしない
よく言えば安定とも言えますが、それでは新しいものは何も生まれません
だから茉平は恭也にも協力を求めるんです
思想は近いですから
しかしながらある質問で茉平は曇ります
やっぱり油断は出来ませんね、この男
今のところは親密な関係を築いてはいますが・・・
そんななかプラチナ世代の3人、貫之は恭也の指導のもと無事にデビュー作の校訂を完了、ナナコもコラボを予定していた相手に告白される想定外な事態に恭也にサルベージを求めたものも一応順調
ただ、そんななかでシノアキが大変なことになります
実はこの巻冒頭からシノアキは悩んでいるような描写が多々見られており演出の仕事に関われるようになった英子からも心配されていたのですが、この間の終盤で遂に倒れてしまいます
ライトノベルの挿絵制作が上手くいかずサクシードソフトの人気ゲームのファンブック企画に参加させることで気分転換させようとしたのですが、疲労は蓄積して行ってしまったようです
実は体調管理を勤めるのもプロデューサーの役割であって、恭也は後悔するのですが同時にシノアキは独特の雰囲気を持っていたことも感じていたのです(そういえば1巻でも絵を描いているときは雰囲気出てたな・・・)
更に英子は「何か隠している」と指摘
7巻に出てきたエピソード以外にもまだ隠している部分あったの?
そこで恭也は「君のことをもっと知りたい!!」とまるで告白のようなことを言うわけですが、この体調不良をシノアキは一時帰宅することに
ですがその休養はなんと恭也も同行を頼まれ・・・?
サクシードソフトが前巻でうっすら名前が出てきていたので本編に関わってくる予感はしましたがまっさか茉平と出会うとは・・・
つーか、挿絵見てビビりましたよ
誰だこれ!?って
今のところは問題なさそうですが彼スキル高すぎて何でも出来てしまうんです
それが仇とならなければ良いんですが・・・
次の巻で衝突とかないよね
そして次の巻のキーは間違いなくシノアキです
7巻でシノアキが絵を描くようになった理由が明らかになりましたが、まだ秘密があるようです
貫之やナナコは過去が明確に明かされてますし、本当にやりたいことのために戦ってきた
でもシノアキはそれがない
シノアキに大きな試練が訪れるのか?
アニメスタッフとのやりとりもあって忙しいとは思われますが「探偵はもう死んでいる」は既にスタッフ発表されてるぞ
こっちも早く発表されることを望みます!!
間違っても次の巻にスピンオフを投下するなんていうテロ行為は勘弁してくださいよ