覚えている方も多いのでは…? 〜「まよチキ!」感想〜
タイトル:まよチキ!
作者:あさのハジメ
イラスト:菊地政治
タイトルで「お?」と思った方も多いと思われます
そうです、かつてアニメ化もされヒットした「まよチキ!」です
以前から興味があって読んでみたかったので遂に手を取ることにしました
- 執事の秘密を知ってしまうと…?
主人公の坂町近次郎(以降ジロー)は色々可愛そうな少年です
何故なら毎朝のように妹の紅羽にプロレス技を掛けられることを筆頭にプロレスラーの母や妹に技の実験台や練習台にされてしまっているのですから…
お陰で彼は女性恐怖症に…
女性に触れただけで鼻血が出てしまうほどトラウマになっています
「WORKING!!」で小鳥遊くんがミニコンになっていたように、周囲の環境って大事なんだな…(WORKING!!を見れば分かります、特にテレビシリーズおすすめ!!)
でそんな彼の日常が一変してしまうのは学園一の美少女涼月奏の執事である近衛スバルの秘密を知ってしまったから
一見男子に見えるスバルの正体は女子(普段は男装して隠している)
それをトイレで知ってしまった
↓
粛清されかける
理不尽ではありますが女子だってバレてはない事情がスバルにはあります(バレたら首だっけ?)
だから秘密を知ったものは粛清するのは至極全うなことでしょう
でも問題はそれだけでなく、スバルの秘密を守るために奏と協力関係を結ばされてしまったこと
奏の正体はドSのお嬢様
ジローの女性恐怖症を治す手伝いをするとはいえ、弱味を握られている以上この協定は悪夢でしょう
一歩間違えたらスバルに粛清されますから(笑)
でもスバルだって女子
正装した時の可愛さは半端ではないです
普段が普段だけにギャップ萌えがあるというか…
ただそんなスバルには弱点が
- 孤独な執事
その弱点とはスバルには友人がいないということ
スバルと奏は小中学校と籍は置いていたものの学校には通っていない
故に人との接し方が分からず孤立していたのです
奏がジローに協定を結び付けたのは「彼女からみて面白そうだから」という名目が大半でしょうが、スバルに友人を作らせてあげたかったというのもある
奏とスバルはご主人と執事の関係ですが同時に幼馴染みで昔は「カナちゃん」と呼ばれていた
本性こそドSでありますが、スバルのことを気にかけている存在でもある
そう考えると姉妹みたいだなとも思います
…ジローはいろんな意味で苦労が絶えないけど!!(スバルはファンクラブが作られるほど女子からは人気があるから狙われるし、スバルの秘密を知らない紅羽にはあらぬ疑いをかけられる…)
そしてスバルには更に致命的な弱点があり、それが終盤大きく絡んでくることに…
- 過去を乗り越えろ!!
その致命的な弱点とは刃物恐怖症
簡単に言えば包丁やナイフが苦手といった性質
執事はご主人に仕えると同時にご主人を守るのが役目である
故にナイフが苦手というのは執事にはあまりに致命的です…
その発端は昔、訪れたレジャー施設でスバルが奏と共に誘拐されてしまったから
それをきっかけに刃物が苦手になり、学校以外も危険と感じるようになってしまったのですがなぜこれが終盤大きく関わるか
それはある日スバルがジローや奏、紅羽と共に訪れたレジャー施設が過去に誘拐された施設
しかもここでふたたび奏、ましてや紅羽も誘拐されてしまうからなんですね…
事件が起こる前、スバルはレジャー施設に来るとは思えないほど警戒をしてくるのですがそれは事件に巻き込まれた施設だから
人間、ショッキングな出来事に遭遇するとその出来事に遭遇した施設や周辺地域が苦手になる方もいます
僕もその1人で過去に退職を共用された会社の付近を訪れるのは今でも苦手です
「考えすぎだろ…」と思われる方もいるかもしれませんが、1度トラウマを抱えたらそう簡単に克服できない
だからスバルの行動も納得できます
そんなスバルを心配してか、最初はジローがスバルを気絶させた上で誘拐犯に立ち向かうのですが、いくら練習台や実験台にされていたジローとはいえ、誘拐犯に勝てるわけがありません…
ジローが絶体絶命に追い込まれたとき、スバルが駆けつけますが本当は怖いはず
それでも必死に立ち向かうスバルはカッコいい!!
まあ茶番なんだけどね(笑)
それもスバルの父親近衛流と奏が仕組んだ
その上事件後、スバルは流に思い切りキレるのですがジローの前では本音を…
さあこれからどんな物語になっていくのか
なんでこのタイミングで「まよチキ!」を持ってきたか
自宅療養中、自分はBookLiveという電子書籍サイトに入会したのですがタイミング良くKADOKAWAから出版された作品のセールをやってまして、その時に「まよチキ!」も対象だったのです
購入前に試し読みしたところ、「ああ、面白そうだな」と思い購入して結果正解でした
テレビシリーズは結構削られていると聞いたので今のところ見る予定はないかな…
ちょうど執筆時、まだセール真っ最中でまとめ買いしたい作品があったので今後も懐かしい作品の感想が増えるかもしれません
ただ、ラノベはやっぱり手にとって読むのが落ち着くなあ
次の新刊の感想はGA文庫から出版されたある作品についての感想が濃厚です
僕がサブカルチャーにはまった理由
自分が胃腸炎になったことを契機に記事を投下しまくった結果、物の見事にストックが消えたこのブログ(笑)
今回は僕がアニメやラノベにはまった理由について書きたいと思います
番外編と考えてください
僕は高校の頃、テガミバチという漫画が好きでジャンプスクエアを愛読してました※今もSQは愛読してます
ただその頃は深夜アニメをほとんど知りませんでした
なので後にパチ○コを通して知ることになった緋弾のアリアも物語シリーズ、リリカルなのはさえ知らなかったのです
しかし大きな転機が訪れます
アニメファンならお馴染みの禁書シリーズで主題歌を担当されていた川田まみのベストアルバムを購入した際、灼眼のシャナという作品を知ったのです
大学生となると、社会人と違いまだまだ余裕がある
興味があるのでレンタルしてみることにしました
その結果、あまりの面白さではまってしまったのです
抽象的にしか言い表せないけど毎話毎話圧倒される…そんな感じ
そうして気が付くと友人から原作を貸してもらったり、シャナ関連のファイルを集めたり、とどめに1期2期のBOXまで回収し始めてました(笑)
原作もSSを除くと最後まで読破
後にも先にもこれだけハマる作品はもう出ないと思いますから
そこからどんどん深夜アニメにのめり込むようになり、変態王子と笑わない猫、ノーゲーム・ノーライフとかメジャーどころは結構見てましたそして気が付くと毎クール始めにどの深夜アニメを見るかチェックするレベルにまでなってしまったのです
サブカルチャーと音楽、そして野球
これらで僕は成り立っていると考えています
ブログ開設から1年
まだ上手く魅力が伝えられているかは分からない…
ようやくフォーマットは整ってきましたが、まだまだじゃないでしょうかでもこれがきっかけで作品を知ってくれる方がいれば…
今の目標は週2更新
最近では電子書籍でラノベを読むようにもなりましたが、やっぱり慣れない
手に取って読む感覚を好むからでしょうか
難しい…
音楽ブログの方もあるので執筆には時間がかかってしまうと思われますが、よろしくお願いします
ストパン3期始まったら毎週感想記事書こうかな?
「ココロコネクト」や「冴えない彼女の育てかた」も時間出来たら執筆しますので楽しみにしてください!!
岬先生が描くもう1つの恋物語 〜「日和ちゃんのお願いは絶対」感想〜
タイトル:日和ちゃんのお願いは絶対
作者:岬 鷺宮
イラスト:堀泉インコ
先日の「三角の距離は限りないゼロ 5」に続いて、新たに始動した「日和ちゃんのお願いは絶対」の感想
試し読みせずに購入すると序盤からビビると思われます
- 告白してきた少女の正体は?
物語の発端は主人公である頃橋深春が葉群日和にコクられたところから
新学期に2人は席が隣同士になり、少しずつ接するようになっていったところから交流していくようになり、「自分にないものを持っているから」という理由で日和は好きになったとのことです
開始早々告白されるラノベ読むのいつ以来だ?
告白された深春は日和の好意に気づいていたのですが、1日考えたところ付き合う気にはならず断る予定だったのですが日和のメモ帳を拾ったことをきっかけに日和の秘密をしってしまい…
その秘密とは「彼女の『お願い』は絶対叶う」ということ
岬先生のTwitterに簡単なあらすじ漫画が掲載されているので拝見した方も多いと思われますが、その『お願い』によって深春は遊ばれてしまう(笑)
でもそれをきっかけに彼女のことを知りたいと思い、2人は付き合うことに…
ただ、彼女にはもう1つの秘密があってそれはこの作品には『天命評議会』という世界を平和に導こうとする組織があったのですが、そのリーダーが彼女
要は彼女を世界を変えようとする組織の中心人物というわけです
開始早々、度肝を抜かれましたよ…
あらすじから「世界が破滅する物語なのかな?」と思ってましたが、全くの的はずれ
日和が世界変革組織の中心だなんて思いもしなかったから※試し読みは一切してません
とまあ、いきなりぶっ飛んだ設定が出てきたわけですが、天命評議会のリーダーで護衛が付いていることを除けば彼女は普通の女の子
なので学校生活を楽しんだり、深春とデートもしたりします
世界平和以外の活動を除けば彼女はれっきとした女子高生なんです
また天命評議会も日和と深春が付き合うことは問題ない認識で、しばらく不登校になった日和の情報を知るべくであった牧尾(仮名)が日和のお陰で妹が無事に大学へ進学できたエピソードを話す辺り、日和は頼れるリーダーのよう(同時に牧尾は妹を大切にしている様子)
学生生活を送りつつ、世界を救おうとするなんて凄い日々送ってるよな…
ただそんな日々もそう長くは続かない…
- 学校襲撃
というのは、天命評議会を良く思わない輩も当然存在するわけで、そのリーダーである日和は狙われる身
ある日彼女の身柄がバレたのか、学校が襲撃されてしまったのです
日和の行動に加え深春の助言もあってなんとか大惨事には至らずに済みましたが、ただ深春を庇って牧尾が亡くなってしまい…
この時、日和は「生涯最高の幸福を感じてください」と『お願い』をするのですが、これによって「妹第一」だったはずの牧尾の思考が変化してしまっていることに気づき、更に今回の出来事のような『辛さ』を忘れさせようとしたため、深春は日和に反発
深春は日和によってこれまでの日々をなかったことにしてしまうのです…
これって深春を「巻き込みたくない」日和なりの優しさなんだけど、これまでの日々が全て無になるってことは関わりそのものもリセットされる
タイムリープなら分かるとして、現代社会でそれやられたら苦しいですよ…
しかも告白にも『お願い』を使ってたなんて言われたらな…
こうして日和と深春の関係はゼロに戻ったはずだった
ただ、ここに誤算があり…
- キエナイオモイ
その誤算とは深春の幼馴染みである卜部のこと
この卜部、放課後にしょっちゅう深春の家に来ては一緒にゲームする仲
なので深春と日和が交際しているのも当然知ってる
それゆえ、深春と日和が接する回数が減ったことに違和感を持ったのです
卜部の記憶操作を忘れていたのも原因ですが(汗)
更に記憶は消されたとしても、想いまで消すことは出来ない
それがトリガーとなって、卜部によって日和に会いに行くよう促された深春は日和に会いに行くんですよ
当然、あの気持ちを伝えるために…!!
やっぱり愛の力って凄いわ…
発売直前、オンラインショップではこの作品が軒並み入荷待ちとなっていました
近所の書店でもこの本は見かけなかったですし、それだけ岬先生が注目されるようになったという証拠でもあります
この作品について岬先生はあとがきで「セカイ系」の物語が作りたかったと話しています
この「セカイ系」、僕は最初ピンと来なかったんですが僕なりの解釈で言えば世界をテーマにした物語
「天気の子」もその1つですし、「灼眼のシャナ」もそうみたい
なので「三角の距離は限りないゼロ」とは大きくベクトルが異なりますし、こちらの方が描写はハードになると思います
まさか岬先生がこういった話を描くとは…
次の巻から本格的に卜部も絡んでくると思いますが、この物語はどういう方向に進んでいくのだろう
コミカライズも既にスタンバイ中
まだほんの片鱗も見せてない始まったばかりの物語をじっくり見届けたいと思います
決断と決断 〜「三角の距離は限りないゼロ 5」感想〜
タイトル:三角の距離は限りないゼロ 5
作者:岬 鷺宮
イラスト:Hiten
岬先生、まさかの2冊同時刊行!!
「三角の距離は限りないゼロ」が5巻発売前に20万部を突破し、6月にはコミカライズ2巻も発売という波に乗っている岬先生がここで仕掛けてきました!!
同時刊行の「日和ちゃんのお願いは絶対」も購入しましたが、まずはいよいよ後半に突入した「三角の距離は限りないゼロ」の5巻から
- 決断の時期
前巻で共存の可能性を模索しはじめ、秋玻や春珂の2人を平等に愛する状態となった四季
文化祭直後の空っぽ人間状態からようやく脱出できたこともあり、秋玻達と迎えた初詣は楽しそう
同時に彼女が一度もいない僕からすると嫉妬する光景ですが(←無視してください)
しかし新年を迎えたということは進級が近づいており、四季達は2年なのでいよいよ本格的に進路を模索する時期でもあります
そんな彼らの進路ですが、
伊津佳:小学校の先生
修司:父親の会社に就職すべく理系の学科へ
秋玻:音楽関係のライター
時子:出版社に就職
晃:バーテンダー
晃よ、何があった(「読者と主人公のこれから」でもそんな描写は一切ありません)
ただ四季はまだはっきりと進路を決断できない様子
そもそもこの時期に決断できている方が凄いんだよなー
僕も高校時代、具体的な未来予想図を描けずにいたし
先日「君死にたもう流星群」の感想執筆しといてあれですが、僕も夢ありませんでした…
更に2人を平等に愛することに四季は違和感を抱きはじめていて…
- あの2人が遂に本編登場!!
そんな四季の状況を手助けしたのが百瀬と時子
時子が町田書店の職場体験をすることになっており、読書が趣味である四季を誘ったのです
なお時子と晃の関係は更に親密になっているらしい…
「読者と〜」を刊行当時、手に取った読者はこうなることを予想できたでしょうか?
で、町田出版といえば時子の姉である柊ところの作品の出版元でありますが、職場体験の案内をするのはあの野村九十九!!
「読書と〜」ではちょこっと出た程度ですので、ストーリーに大きく関わるのは「失恋探偵ももせ」以来
まあ九十九、柊ところの担当編集ですからね〜
彼が登場するのは必然でしょう
…既に百瀬と結婚していることはほぼ公になっているので春珂による質問集中砲火を食らうことになりますが(笑)
途中からは作者と編集のやり取りを見せるべく、ところも参加(なお時子と晃は度々ここを訪れているとのこと)
ところは「良いところ見せるからね〜!!」と相変わらず時子と親密な様子でしたが、やり取りが始まると雰囲気はもう「バクマン。」そのもの
ところと九十九が作品を巡って激論する事態に(汗)
より良い作品を作るためにはお互いの意見をぶつけるのは避けて通れない
でもキャラのリストラを提案することあるんですね…
作者からしたらそれを提案されたらたまんないよな…
キャラクターは可愛い子供だもん
簡単には決められないよね(汗)
結局、今回のやり取りはところが一旦退散する事態になったのですが、まさかこの2人が本編に登場するなんて岬先生の過去作読んだ方からするともう歓喜!!
- 四季の決断、そして…
ただその一方で四季は悩んでました
進路をどうするか
加えて秋玻や春珂との関係をどうすればいいか
そんな四季を救ったのが九十九
ところとのやり取り(新キャラのモデルを探すため、流石は時子や晃をモデルにした作家…)に同席させることで彼の本音を引き出そうとしたのです
その四季の本音は「置いてきぼり」
そりゃそうだよね…
周囲は将来に向けて歩み出しているのに自分だけが決断できていない
コンプレックスを感じないわけないよ
しかも先日のところと九十九のやり取りを見てたら尚更…
要は四季は自信がなくなっていたんでしょうね…
ただ、ところにはこれが突破口になったようで九十九の作戦は成功
更に四季のなかに眠っていた出版社で働きたい気持ちを掘り起こしたのです
しかも「ここで働かせてください!!」まで
こういう職場経験出来る環境が羨ましい…
でも九十九が四季に与えていたアドバイスは、
「もう少しー矢野くんはぼんやりしてみてもいいんじゃないかってこと。決めるべきときがくれば自然にそういう風になると思うしーそれまでは、あまり焦らない方がいいんじゃないかな」
すいません、まさか九十九がこんな名言話すようになるとは思いませんでした
でも焦りは禁物、一理ありますね
本人の努力次第ではあるけど可能性は1つじゃない
色々な方向を高校時代は模索すべきなんでしょうね
なおこの時、九十九は百瀬の学生時代を四季に見せています
7年ぶりの「失恋探偵ももせ」だ!!
町田出版での経験は四季にとって大きな経験となり進路も見つかりつつある状況に
そして秋玻と春珂もある決断を…
このシリーズはシリアス色が濃い作品ではありますが4巻に続いてコミカルテイストが強い巻になりました
まさか柊ところと九十九がこんなにストーリーに絡んでくるとは思いませんでしたよ!!
九十九に至っては挿絵付くの7年ぶり!!
岬先生の過去作を読んだ方はもう楽しくてしょうがなかったと思います
自宅に届いて、仕事休みに読もうと思ったらそうはならず久々に新刊購入後即読破となってしまいました(笑)
何年ぶりでしょう…
まさか再びギリギリな描写が出現するとは思わなかったけど(汗)
そのうえでこの巻からいよいよ秋玻と春珂の過去に迫っていくようになるのですが、今後の伏線が2つ出てきました
1.何かを匂わせる小学生期
この巻で秋玻は四季と共に過去の写真を見ていたのですが、小学生期になると写真に異変が起こります
写真の取り方が変化したこと
更に母親が映らなくなったのです
小学生期に大きなストレスを抱える出来事があって、春珂が生まれたのはもう周知でしょうが、もしかして離婚か一時別居したのか?
人間って絶対に癖がある生き物で例えば僕の場合、食事をするとき必ず野菜から食べるようにしています
それと同じように写真を撮るときもある程度癖が出る
ということは写真を撮った人間が変化した→離婚か一時他の人間が手助けした可能性が濃厚になります
「いずれ話す」と秋玻は四季に伝えましたが、ここは確実に物語のキーポイントになりそうです
2.こっちゃん!?
並びにこの巻では秋玻、春珂の母と四季は遂に対面
秋玻と春珂に多くの友人が出来たことを彼女は喜んでますが帰り際にふと「こっちゃん」と読んでしまったのです
これが秋玻の本当の名前のヒントなんでしょう
1巻から出ていた××が明かされる時は近づいてきました
更に僕は大きな誤解をしてました
それは必ずしも春珂が消えるわけではないということ
…そのまさかもあり得るってことですよ
その上で僕はこのシリーズ、8巻で完結すると思ってましたが、岬先生のTwitterによるとどうやら巻数が伸びるようです
尺が足りないと判断したのでしょう
僕としては完全燃焼で物語を完結させて欲しいので岬先生の判断を尊重します
6巻は秋に刊行予定とのこと
いよいよアニメ化発表かな…?
そしてコミカルなエピソードが続いたから反動が怖い…
なおこの巻、あとがきが終わっても本を閉じないように
あの2人のやり取りが久々に読めますよ!!
追記
どうやらカクヨムで単行本化されてないエピソードが幾つか読めるとのこと
今後、短編はカクヨムに掲載されるようになるんでしょうかね…
大切な友人を救うためにコスパ人間が奔走する… 〜「君死にたもう流星群」〜
タイトル:君死にたもう流星群
作者:松山剛
イラスト:珈琲貴族
緊急事態宣言が続いているため、贔屓にしている書店になかなか通えず本をオンラインで注文している状況
なるべく僕は手数料を払いたくない人間なので作品を購入する際に、面白そうな作品がないか探すのですが、そのなかで個人的に興味深かったのが「君死にたもう流星群」
MF文庫がプッシュしている作品の1つでもあります
- コスパ人間の目の前に現れたものは…?
主人公の平野大地は親が残した遺産を宛に仕事もせずに昼からスマホゲームに没頭する語弊を恐れずに言えばクズ人間です
ただ彼も最初からこうなりたかった訳ではありません
昔からコスパばかり重視して最小限の力で勉学や就活も乗り切ってきたのにこうなってしまったのです
そんな彼にとって忘れられないのが3年前に起こった「流星群」
この「流星群」とは人工衛星が次々と墜落した事件なのですが、この事件には1人犠牲者が
その犠牲者は天野河星乃
宇宙飛行士の両親を持つ少女でかつて「スペースベイビー」とも呼ばれたのですが、両親が亡くなってからは引きこもりに
それを大地が少しずつ支えて宇宙飛行士になる夢を叶えたものも流星群の偽善者になってしまった
彼女の努力を間近で見ていた大地は星乃を馬鹿にされることだけは許せなかったのですが、同時に死を受け入れられてないというのも
かつての同級生である盛田伊万里に誘われた同窓会で暴れてしまうのはよろしくないことですが、知人を馬鹿にされたら僕だってこうしてしまうかもしれない
僕も昔友人を勝手に「故人」扱いされたことありますから…
しかしお金は有限ではないという事で遺産もいよいよ底をつく
夢を叶えた伊万里(デザイナー)、友人の山科涼介(医者)、亡くなった星乃(宇宙飛行士)とは対照的な大地
ただ付き合いの長い或井真理亜や或井葉月に星乃からの「遺言」を聞き、彼女の自宅の遺品整理を始めてる最中、信じられないことに星乃からメールが届くのです…
- 過去の星乃とスペースライター
星乃からのメールを開封しそのメールの指示に従って星乃が愛用していたPCを起動するとなんと画面には星乃が…
面白いのがこの星乃、3年前の「流星群」で失くなる直前の彼女だということ
過去と現代がこんなにも密接するシーンは映画でもないのではないでしょうか
もちろん大地は星乃を救おうとしますが星乃はあらゆる手段を尽くした後
その上で、星乃が突き付けるのは
「大地くんには夢が足りない」
ということ
その後、星乃の死の瞬間が訪れるのですが彼が見つけたのは「スペースライター」という機械
要は星乃はタイムマシーンを作っていたのです
大地が後悔してやり直したいと思ったときのために
そうなると大地は当然タイムマシーンを探すために躍起になりますが、簡単に見つかるわけもないしアパートは取り壊しが決まってる
おまけに真理亜や葉月も現実を見るように言うんですが思わぬところにタイムマシーンを見つけて…!!
このタイムマシーンの場所には驚くと思います
- 微妙に異なっていく過去
スペースライターによってタイムスリップした大地は星乃の運命を変えるために奔走することに
とはいっても過去に戻るということは人間関係がリセットされることを意味する
つまり星乃は引きこもり
なので思うように星乃との関係を良好に持っていけず大地は苦労するわけです
同時に大地にはある現象が
それは分岐点と思われる出来事が発生する度に血の涙が発生するようになるのです
これによって伊万里は本来学生時代に足を失う事故に巻き込まれるはずが大地によって回避されたり、本来訪れる予定だったISS(国際宇宙ステーション)展ではなく「星空のアーティスト展」に行ってたり
更には網膜アプリなるものが存在していたり…
要するに大地の行動は過去を少しずつ変えてしまってるのです
他者の運命を変えるとはそういうことなのでしょう
そのうえ、本来星乃と接近するはずだった出来事まで消えてしまい…
- ネットが生み出す憎悪
そしてこの巻で最も重要な要素は「エウロバ」
星乃の両親が亡くなっていることでは前述した通りですが、父親弥彦流一が亡くなった原因は真理亜のミスによるもの
加えて流一は真理亜と関わりが深かった
星乃は序盤から真理亜を嫌っている描写が目立つのは、「自分の父を真理亜が奪おうとしている…」と誤解したのが原因だったのかもしれません
真理亜は流一を自分のミスで亡くしてしまったことを悔やんでます…
しかし本当の問題は「エウロバ事件」
この「エウロバ事件」とは、ハンドルネームでエウロバと名乗るものが星乃の母親で亡くなった天野河詩緒梨を入院中に「悪」と見立て殺害する予告を出したのです
幸い、殺害は未然に防がれたもの一度独り歩きした情報は簡単に消えない
今のネット社会もそうですが、こうしたゴシップ情報が流れ出すと必ずと言っていいほど愉快犯が発生する
更にPVを稼ぐためにあることないことをでっち上げるまとめサイト
それを本人や関係者が見たら傷付きますよね?
星乃はネットを通してそうした心ないページを読んでしまった
人間不信になって引きこもりになるのも必然でしょう…
ある意味これって現代社会の闇そのものでもあります
しかも恐ろしいのがこういった「自称正義」って模倣犯を生みかねないこと
実際終盤、真理亜の講演会で真理亜を徹底的に口撃していた星乃はこの模倣犯に命を狙われてしまう
大地の決死の覚悟や涼介、伊万里の援護、そして真理亜の行動もあってなんとか大事には至りませんでしたが、ネット社会の恐ろしさがこの巻終盤ににじみ出ています
「自粛警察」もこれとほぼ同類だよね…
ただ、この事件をきっかけにようやく星乃と真理亜は仲直り
その上で星乃と大地も新しい未来へ歩いていくのです
この作品、簡単に言えば「夢」をテーマにしたタイムリープもの
タイムリープといえば同じMF文庫から「ぼくたちのリメイク」が刊行されてますね
ただ、「ぼくたちのリメイク」はキラキラとしたものがあるのに対し、こちらの作品はそんなものほぼ皆無
何がなんでも星乃を救うために大地は奔走していくことになるんでしょうね
更に「ぼくたちのリメイク」と異なるのは他者との干渉の結果
恭也は偶然タイムリープが起こって自分がやりたいことを見つけるために裏技を使いつつも未来に影響を及ぼさないよう配慮するため、未来にそこまで悪影響は及ぼさない
しかし大地は「コスパが悪いことを嫌う」癖に過去に起こった悲劇を防ぐために身体を張る
これって歴史を大きく改編させかねない行動です
例えば、
1.Aさんが失敗→分析や反省から成功
2.Bさんの危機をCさんが救う→2人はやがて家族に…
といった具合で人生はあらゆる事柄が未来に影響する
悲劇が後の成長に繋がったり、周囲の人間を変化させたりとプラスにもマイナスにも作用します
でも大地が起こしている行動はそれを破壊しかねないもの
実際、伊万里を交通事故から救ったことで涼介と結ばれる未来が消えてしまった可能性もあるのです
これが後々どう影響を及ぼすか…
更に大地はまだ何も変わってない
この物語は大地がコスパ重視の考えから脱却してからが物語の始まりだと思います
つまりこれはまだ序章でしょう
そして、「網膜アプリ」を制作していたジュピター社、突如
「君の人生にレビュー出来るのは君だけ」
と大地に告げた少女の正体は…
タイムリープものの中でもこの作品は特にシリアス
生きづらい毎日を送っている方にこそ呼んで欲しい作品です
現時点での答えは 〜「三角の距離は限りないゼロ 4」感想〜
タイトル:三角の距離は限りないゼロ 4
作者:岬 鷺宮
イラスト:Hiten
「三角の距離は限りないゼロ」の4巻
衝撃の結末だった文化祭から物語は修学旅行へ
いよいよ前半が完結します
- 波乱の修学旅行…!?
前巻のラストで秋玻から「別れ」を告げられた四季
文化祭以降の四季はもう別人になってしまいました
身体から中身が抜けた空っぽのような存在になってしまったのです
その上で秋玻と春珂はこうなってしまったのは自分達の責任と感じ、修学旅行(宮前高校の修学旅行は3日間で大阪、京都、奈良を訪れる色々ハードな修学旅行です)を通じて四季を元に戻そうとするのですがその修学旅行のグループ分けは他のクラスメートと組めるということ、更に男女の制限がないということもあり、
A:古暮(2巻で修司にコクった女子)、Omochi(3巻で登場したトラックメイカーであり、古暮の従姉妹)、晃、四季
B:秋玻/春珂、伊津佳、修司、時子
となってしまうのです
こうなると四季と秋玻、春珂の過ごす時間が減ってしまうのは必然…
しれっと晃と時子が巻き添え食らってないか(笑)※ちなみにこの巻でようやく時子や古暮、Omochiも挿絵が描かれます。時子の容姿はあまり変化してません。
それでも移動時間など限られた時間でも四季と接しようとしますが、思わぬ障壁となったのはまさかの伊津佳
伊津佳が旅マニアなのでこういう旅行のこだわりが半端ないのです
なので秋玻と春珂の願いはなかなか叶わない…
こう書くと修学旅行もシリアステイストなのかと思ってしまうかもしれませんが、これまでと比較するとこの巻はコミカルです
伊津佳が秋玻達を振り回したり、四季と秋玻、春珂は梅田の地下街で迷ったり伊津佳達が男子部屋に忍び込もうとしたりと…
今まで一番読みやすかったりします
時子が晃大好きということを伺わせる一面もあったりします
- 四季の感情を取り戻せ!!
そんな状況が一変するのは2日目
Omochiと古暮が秋玻、春珂の手助けを名乗り出たのです
というのは流石に古暮も四季の変化に気付いていたようで
そりゃ、感情を見せないような状態になったら誰でも違和感に気付くよね…
人間はロボットみたく表情を出さない生き物じゃないから
そんなOmochiと古暮によって決行されたのは矢野の反応を見る作戦
1つは激辛ラーメン(蒙古タン麺みたくめちゃくちゃ辛そうなイメージ)を食べさせ反応を見るのと、晃に時子と「あれ」をやったのか尋ね反応を見るもの
色々、晃被害食らってないか?
でも流石にこれだけ探りを入れたら当然矢野も気付きます
という訳でOmochiと古賀は直接文化祭で何があったのかを矢野に聞くこと
矢野が話したのは、
1.秋玻のことだけが好きなのか分からなくなった
2.キャラ作りを楽しんでいたことを霧香に気づかされてしまった(ここはボカしていますが)
ということ
まあ3巻序盤の時点で春珂のアタックにドキッとするようになったので1はしょうがないでしょう
ただ問題はやはり2で…
なんか嫌な予感するんですよね、また霧香が出てきそうな…
春珂が霧香に連絡を取ったのも今後出てきそうな伏線な気もしますし
霧香によって与えられたダメージは相当大きいと僕は思います
その夜、秋玻達はある作戦を決行することに決めて…!!
- 幸せになることをためらわなくてもいい
その作戦とは四季と秋玻、春珂が接触する時間を増やすこと
秋玻と春珂が実行しようとしてた作戦がようやく始まったとも捉えられますね
でもやっぱり四季の感情は動かない!!
ショック療法で復活しなかったんだからそうは上手くいかないって…
ただこのとき、秋玻がなにか我慢していることに気づいたのです
秋玻が以前父親と訪れた生駒山上遊園地に行きたがっていることに…
その遊園地とは実在する施設だそうですが、ただこの時の秋玻は明らかに別人
まるでキャラを演じて楽しんでいるかのよう
…これは霧香によって四季が取ってしまった行動を再現しているかのようにも見えますが…
ただそのときに思い出したのが父の言葉
「辛いことは際限なく積み上がることがあるし、逆に幸せだっていくらでも重なっていくんだ。つまりー幸せになることを、ためらわなくてもいいんだよ」
これ良い言葉ですよね…
世の中って良いことは続かない癖に悪いことは連鎖するじゃないですか
だから苦しむこともある
でも幸せになってはならない権利なんてない
幸せになることを恐れる必要はないのです
その上で四季はどうすればいいのか分からなくなるほど追い詰められてましたが、秋玻と四季が出した結論を「私を頼って欲しい」ということ
1巻の逆になってますね
思えば1巻では春珂を助けるために秋玻と接近して、紆余曲折あった末に秋玻と四季は恋仲になった
それから半年経過して、今度は秋玻と春珂が四季を救おうとしている
これって共依存とも捉えられませんが、秋玻と春珂なりの恩返しにも見えます
四季がいなければ春珂はこうして学生生活を楽しむことができなかったし、秋玻も孤独だったかもしれない
四季は間違ったことはやってない
伊津佳や修司、晃や時子、そして今回のOmochiや古暮と多くの仲間が心配してくれるようになったのだから
その上で物語はこの台詞で終わる
「ーわたしたち、ずっとこのままでもいられるかも!」
これはどういう意味かというと春珂が消滅を回避できる可能性が出てきたということ
確かに2人の入れ替わり時間は2人の信頼関係が関わっているはず
ということは2人が尊重しあえばこのままでも入れるってことでしょうか?
しかしながら最新の5巻から物語はいよいよ後半戦へ
モラトリアムの終わりも近付いてきました
そのうえ、この巻で遂に秋玻の本当の名前への断片が登場し、結末にも少しずつ近付きつつあります
春珂の消滅はやはり避けられないのか
悲しい結末にならないことを僕は望んでいます
1人の少女が3人の関係を大きく書き乱す…!! 〜「三角の距離は限りないゼロ 3」〜
タイトル:三角の距離は限りないゼロ 3
作者:岬 鷺宮
イラスト:Hiten
「三角の距離は限りないゼロ」の3巻
「ぼくたちのリメイク」3巻が怒濤の展開を起こしたようにこのシリーズも3巻で怒濤の展開が待ち受けます
- アピールしまくる春珂
伊津佳の前巻の行動を受けて「好き」という本心を隠しきれなくなった春珂
そこから交換日記も記憶を残すメモのやり取りが途絶えてしまったようなんですが、その反面、春珂は四季へのアピールが活発に
それは徐々にエスカレートになり、四季が警戒するほどまでに
秋玻はそれでも春珂のことを「邪険にしないであげて」と気遣うのですが、春珂は奪う気満々
恋を自覚した乙女は強いというべきか…
更にちょうどこの巻は文化祭の直前
という訳で当然クラスから実行委員を選ぶわけですが、伊津佳が挙げたのに続いて立候補したのは春珂
しかも春珂は四季を巻き添えに…
でもこの巻開始時点入れ替わり時間は45分まで減っている
それは春珂が消滅する日が刻々と近づいているという意味でもある
だから最後に思い出を幾つか作っておきたいんだと思います
なるべく今、最後って言葉は使いたくないけど…※筆者の状況についてはTwitterをご確認下さい
そんな四季達が通う宮前高校は文化祭を御殿山高校と共同開催
ただ、その御殿山高校には思いもよらない人物がいて…
- 不穏すぎる庄司霧香
その思いもよらない人物とは庄司霧香
かつて四季が通っていた塾の後輩です
ただ、この霧香
物語開始当初の幾つものキャラを使い分ける四季を生み出した張本人でして
「過去の四季」に戻そうとするため、秋玻が怒りを露にするほどです
そんな霧香ですが文化祭の実行委員としては有能
四季が苦戦した文化祭名物のイベントにブッキングを次から次へ進めていくのです
とはいえ霧香でも陰キャ的性質が強いOmochiのブッキングには苦戦
そこに秋玻が巻き込まれてしまうことに…
さらに時子や春珂も巻き込まれてしまいますが…
その上、霧香はある計画を着々と進めていたのです
その計画の真意を知ったときは「ああ…」ってなったけど、このやり方はな…
- そして四季は…
その霧香の計画とは文化祭当日に発動
文化祭の看板であるイベントをパンフレットに記載しないというミスが当日に発覚
これを受けて、四季は過去の自分を一時的に出すのですがこれこそが霧香の狙いです
このミスは霧香が意図的に仕込んだもの
霧香の罠に四季はまんまと踊らされていたということです
四季の咄嗟の行動もあってなんとか最悪の事態は回避成功
ですがこの成功は逆に四季を追い詰めてしまうのです
「これから自分はどうすればいいのか」と
そして最後の1ページ
遂に不安は現実となってしまう…
このシリーズに興味を持ったのは去年くらいだったかな?
その時点で4巻のあらすじが読めたのでこの巻が「何か」を起こすことは読めてました
ただ、ここまでの急展開を迎えるとは思ってもいませんでした
まさに起承転結の「転」というべきエピソードでした
物語は5巻から後半戦
ということは次が前半の起承転結でしょう
この巻の感想掲載後、無事体調も回復してシリーズ最新刊にあたる5巻、そして「日和ちゃんのお願いは絶対」を読める日が来ることを願っています
ちなみに、文化祭で百瀬と柊ところは途中失恋相談コーナーを行ってたりする
完璧「失恋探偵ももせ」だろ(笑)