千代田百瀬の物語はここに完結する 〜「失恋探偵ももせ 3」感想〜
タイトル:失恋探偵ももせ3
作者:岬 鷺宮
イラスト:Nardack
「失恋探偵ももせ」の最終巻
この後に「失恋探偵の調査ノート」というこの作品のスピンオフがございますが、一旦「失恋探偵ももせ」シリーズの感想はここで一段落です
- チャラそうに見える彼氏?
1巻2巻と離れ離れになることがありながらもクライアントの依頼に応えてきた九十九と百瀬
しかし今回の依頼主忍野千尋の依頼内容はなんと「振った彼女の数を調査して欲しい」というもの
フラれた彼氏代沢圭がチャラそうだからとはいえこれは…
クライアントの依頼を受けて調査を進める九十九と百瀬
やはり調査段階ではチャラそうなイメージがあるのですが、そのイメージを変えるのが以前百瀬達の調査対象になった奈菜緒悠
この奈菜緒の登場が彼のイメージを変えていくのです
そしてこの冒頭の依頼解決の糸口がかなり重要になります
キーワードは「勘違い」です
- 千代田百瀬の姉
この巻でキーキャラになるのは百瀬の姉
この百瀬の姉は7年前に亡くなった人物なんですが、百瀬の家族を支えるような存在だったとのこと
何でも出来る完璧人間だったようです
百瀬にとっても憧れだったとか
その上、九十九の初恋の人でもあったようで九十九が探偵ものを好む理由は彼女の影響だったようですが、小学生が依頼してきたある事件の終盤に百瀬が取ってしまったある行動が怒涛の急展開を招いてしまうことに…
- 千代田百瀬という少女
そのある行動は百瀬を赤いマフラーを大切にしているのですが、このマフラーを忘れてしまうミスを犯してしまう…
それが原因で2人のすれ違いが起こり、別れてしまう…
ここまでこの作品の語り手は九十九だったのですが、この巻の大半は百瀬
そこで百瀬というミステリアスな人物の真相が明かされていきます
百瀬は1巻の時点でからミステリアスな雰囲気を醸し出していたのですがそれは姉になりきっていたから
本当の百瀬はドジで注意力散漫で失敗だらけの少女だったのです
姉になりきっていたのは崩壊寸前だった家庭を取り戻すため
そのために百瀬は努力して姉のような人物になっていたという訳です
だからマフラーを忘れるなんてドジな行動は元の百瀬としての行動
それが悲劇への引き金となり、さらに親友の士穂里も傷つけてしまう…
そんな百瀬を過去の依頼主である矜持ヶ谷が慰めていくのですが、そのタイミングで九十九の引っ越しが決まってしまう…
この怒涛の展開は最終巻ならではですね
ラブコメ作品あるある(「あねどきっ」、「パジャマな彼女」など…)
先輩が引っ越しする前になぜ失恋してしまったか…
その真相を知るために百瀬はは奔走していくのですが、その真相は…
実はここで重要になってくるのが冒頭の依頼
その冒頭の依頼解決への手口がここでも繋がってくるわけです
それにしても百瀬の小学校時代はいろんな意味で凄い
どうすれば算数で使う巨大三角定規を紛失するんだよ…
あれを紛失するってただ者ではないぞ
なお僕の小学校の同級生は虫眼鏡を使って軽いボヤ騒ぎを起こしかけました
そして近づく別れの時
ただ、ここで九十九が取った行動は!?
という訳でこれで「失恋探偵ももせ」は完結となります
ご存知の通り、百瀬は「三角の距離は限りないゼロ」にも登場!!
一応九十九もちらっと出てくるようですが、「失恋探偵ももせ」、3巻だけとはいえ逆に3巻だからこそ濃密なストーリーが発揮できたのではと僕は思います
さて、「読者と主人公と二人のこれから」を経ていよいよ「三角の距離は限りないゼロ」の感想を掲載していきます!!
楽しみだ〜!!