最後のページが意味するものとは 〜「三角の距離は限りないゼロ 6」〜
タイトル:三角の距離は限りないゼロ 6
作者:岬 鷺宮
イラスト:Hiten
前巻が刊行されたのは5月
そこから半年近く間が空いたのは5月に始動した新シリーズ「日和ちゃんのお願いは絶対」の2巻と同時に刊行するためでしょうか
秋玻と春珂の2人を愛するのではなく、どちらかを選んで欲しいと告げられた四季
岬先生が「シリーズラストスパート」と告げた通り、この巻はほぼオールキャストとなっております
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企画会議しつつアピール合戦!?
2人の決断によって秋玻か春珂か選ぶことになった四季
ただ作中は2年の終盤…
誰もが経験あるかもしれませんが高校って途中から分岐があります(文系や理系に別れ、特別進学コースをもうける学校も)
四季達も例外ではなくみんな離れ離れになることを伊津佳はめちゃくちゃ悲しんでいます…
※参考までに
文系特進…時子、晃、秋玻春珂
文系進学…四季、伊津佳
理系特進…修司
僕も高校2年の時に文系理系に別れましたがクラスが近かったのでそこまで離れ離れになる感じはしませんでした(むしろボウリングしたりディズニー行ったりしたなー)
でも一緒に過ごす時間は格段に減ります
しかも四季と修司と伊津佳は2年続けて同じクラスでしたね
余計に悲しくなるわけだ※晃と時子は別クラスでした、この辺りは「読書と主人公と二人のこれから」参照
このみんなが離れ離れになるやり取りの中で春珂は日直だったということで後から合流したのですが、悲しむ伊津佳を見て春珂は行動へ
ホームルームにて「解散会」をやることを提案したのです
進級する際にやった方も多いのでは?
でもこれはただの「解散会」ではない
消えてしまうかもしれない春珂にとっての思い出作りでもあったのです※序盤で百瀬が四季に「新学期にまでにはこの現象は終わるみたい」と伝えたようにここまで安定していた入れ替わりの時間はまた短くなっています…30から20か…
これに四季は春珂から実行委員として指名されたので共同で企画会議をしていくわけですが、実はこの前後から秋玻と春珂によるアピール合戦がスタートしております(笑)
秋玻はイメチェンを行ったり、春珂は手を組んだり間接キッスを狙ったり…
もうこれは戦争ですね
羨ましい
まあ一応企画も進行しているのですが、正直このアピール合戦の印象が如何せん強すぎる
「恋は人を変える」とはよく言うけどほんとその通りです
爆発しろ
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それぞれが予想するなかで…
そうしたやり取りを経て「解散会」の中身はおおよそ固まるのですが、四季は「これでいいのか?」と悩んでいる様子
春珂にとって最後の思い出になるかもしれないのだから
悔いは残したくないのでしょ
そんな悩める四季にとって転機となったのはあの九十九
前巻に続けて美味しいところを持っていきます(まあ前巻のラストで柊ところの新作に協力したお礼というのもあるけど…)
その転機とは九十九がところや四季、春珂と会食した際に九十九と百瀬の結婚式(この時、やっぱり春珂は反応しまくります(笑))を見せるのですが、その際に結婚式ではよくある2人のこれまでを振り替える映像を見て、これを四季は取り入れることにしたのです
・・・というか九十九は百瀬に怒らないのだろうか・・・
僕がいた中学校ではこれ、よくやっていたのですが、中学の行儀が終わる度に生徒を集めて教員が撮影した写真を集めて何本かの映像にしていたんです
それをやることによってあの時はあんなことがあったなって思えば、こんな表情をしてたんだなって確認することもできる
解散式にはうってつけです
ただこれをやるには膨大な写真の量が必要…
と言うわけで伊津佳や修司達に協力を求めていくわけですが、同時に秋玻と春珂に「選んで欲しい」と言われたことを明かすことに
これは四季がどちらを好んでいるか、客観的な意見が欲しかったからだと思われますが、
秋玻→修司、古暮、晃
春珂→伊津佳、Omochi、時子
と見事に二分
そりゃどちらかに偏ることなんてないよな…
なお晃と時子は珍しく喧嘩しているのですが、この時にどうして付き合うことになったかという「読者と主人公の〜」のあらすじが簡単に2人の口から話されます(気になった方は是非そちらも読んでください)
結局仲直りするけど
しかしながらただ1人の別回答をした人物も
それは3巻で3人の関係を荒らした(と書くと語弊があるかな…?)霧香
文化祭の写真を提供してもらうために再び接触した際に霧香にも訪ねたのですが彼女だけは「どちらでもない」と回答したのです
この意味深な回答が終盤の大きな鍵になるとは…
このように多くの人々に協力を得ていよいよ「解散会」が行われようとしていましたが…
- 楽しいお別れ会、そして…
その「解散会」を行われようとしていた場所は寸前でキャンセルに
なにやら事故が起こったのが原因らしいですが汗※現実ではこのようなことは起こって欲しくない…
しかし四季は冷静でした
なぜならすぐに交渉して会場を教室に変更でしたのです
この「解散会」、終業式の数日後に行われているのですが、よく考えたら終業式後って新学期になるまでは部活をしている生徒以外は学校に戻ることはほとんどない
それは学校に用がないということが理由でありますが、プライベートでかつ自由に教室を使えるなんて機会は滅多にないと思います
しかも食事は古暮の実家から提供(どうやら実家が喫茶店のようです)し、BGMはOmochiが提供
あまりにも贅沢すぎますよこれ
ちなみに秋玻が関わった曲は動画サイトに公開されているとか
絶対恥ずかしいだろ
でも楽しい時間はあっという間
四季が計画していた思い出フォトグラフィを動画で公開したあと、春珂は遂に秋玻と春珂が入れ替わる現象が新学期になるまでに終わることを告げましたが、こうして思い出を作れて嬉しかっただろうな
なのに
最後の数ページ
四季の夢に出てきたのは・・・
あなたは一体誰ですか?
終盤には衝撃が走りました
だって誰もが秋玻か春珂と思っていたのに…
これは一体どういうことなんだ!?
恐らく多くの人は春珂が消えて秋玻が残ると思っていたはず
ただここにきてそうじゃない可能性が出てきた
ひょっとしてこれは秋玻と春珂の魂が融合したということ?
昔、遊☆戯☆王GXで十代とユベルが融合して1つの存在になる話があったけどこれもそのようになるの?
僕の予想だと次が最終巻、長引くのであれば2巻
それに後日談を交えて+1巻というところでしょう
残された時間は10日間…
この作品の結末も近いということです
次も「日和ちゃん〜」と同時刊行するなら半年後になりそうな予感がしますが、その前にコミカライズ終わらないよな?
このままだと原作1巻だけをコミカライズして終わる未来が見えるぞ…※「ニーナとうさぎと魔法の戦車」や「ブラックブレット」が該当
僕は動く晃や時子も見たいんです
頼むから2巻まではコミカライズやってくれ…!!
これだけインターバルが空くと28ヶ月連続刊行していたかまちーがいかにヤバイかよく分かる