野村先生の代表作と言えばこれ!! 〜「“文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】」
タイトル:“文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】
作者:野村美月
イラスト:竹岡美穂
ラノベ電子書籍、第2弾として購入したのはこの「文学少女」シリーズ!!
ファミ通文庫を代表する作家、野村先生の代表作ですね!!
野村先生の作品は僕も何冊か所有していて、読んでみようとは思ったのですが読んだのはこれが初めてですね
- 元美少女作家と文学少女
主人公の井上心葉は元作家
中学3年時に書いた小説を文芸雑誌の新人賞に応募したところ最年少で大賞を獲得
その作品はドラマや漫画になる社会現象を起こしたのですが、女の子のペンネームを使ったことが仇となってしまったり、とある出来事や過呼吸を起こしたことなどをきっかけに執筆をやめた
…のですが、遠子先輩こと天野遠子に出会ったことをきっかけに執筆せざるを得なくなったのです
しかもこの遠子先輩、なんと書籍を食べてしまう
というのは彼女は文学少女だから
水やパンを食する代わりに物語を食べる
それが天野遠子です
本人は妖怪ではないと否定してますがどう見ても妖(ry
心葉は彼女のために毎日文芸部で三題噺と称したおやつを与えているわけですが、そこに現れたのが一年の竹田千愛
遠子先輩が設置した恋愛相談ポストに導かれるように恋愛相談を依頼しに来たというわけです
要は更なる食事が欲しいと(笑)※依頼する代わりに恋愛レポートを要求するため(笑)
ということで心葉は千愛が好きになったという片岡愁二先輩へのラブレターを代筆することになってしまったのです
僕なら絶対耐えられない…
銀魂で新八が銀さんや近藤、土方の協力を得て文通する話を想像していただければ分かりやすいと思いますが、女子になりきって手紙を書くんですよ!!
難易度高すぎるじゃないですか(汗)
ただラブレターを代筆しているうちにある疑惑が浮かび上がり…
- 似ている…?
その疑惑とは片岡愁二は実在するのか?
千愛によれば剣道部に所属しているとのことですが、剣道部に所属する芥川一詩に訪ねても、千愛と共に部活訪問しても彼の存在確認できず…
これによって、いよいよ片岡愁二への疑惑が強まっていきます
彼が千愛に渡している手紙が「人間失格」からの引用なんですよね
そこから片岡愁二の人物像が浮かび上がって来るのですが同時に心葉との類似点も…
そのうえ、彼はある人物に命を狙われてしまい…!!
- 救い
OBに殺されかけた心葉は遠子先輩が助けに来たことなどもあり、なんとか助かりましたが、片岡愁二を巡る真実を知ってしまい、気絶…
ただ、これで物語は終わらない
というのは事件以来、気まずくなっていた千愛に遠子先輩からの伝言を伝えるべく会いに行った後、心葉は見つけてしまうんですよね…
「人間失格」に千愛が書いた手記が挟まっていたことを…
そうこの事件を起こした発端は千愛だったのです…
しかも千愛、とんでもない行動に出ます
大方予想は付くと思いますが、愁二も心葉も千愛も共通点があります
それは3人とも親しい人を失くしているんです…
ただ、愁二と違い2人は生きている
心葉は遠子先輩と出会い、再生できた
となれば彼の取る行動は1つ
それよりも遠子さん、その説得はないでしょ!?
この作品、ライトノベルよりも小説のような一般文学作品が好きな方ほどハマりそうな印象を受けました
この巻では「人間失格」がキーワードとなっており度々引用文が登場します
実際に太宰作品を手に取ったかたほどのめり込みそう
すなわち、ライトノベル入門に最適だと思われます
これ、外伝や短編集も含めるとシリーズは16巻近くがありますがこの状況なら一気に読めるのではないでしょうか?
僕は感想執筆や音楽ブログも運営しているので時間かかりそうだけど…
続刊も様々な文学作品が出てきそうなので一般文学好きにはたまらないかも
アニメや漫画もありますし、是非文学少女の世界を!!